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「経済財政運営と改革の基本方針2025(原案)」が示されました(2025/6/10)

6月6日、令和7年第7回経済財政諮問会議が開催され、「経済財政運営と改革の基本方針2025(原案)」が示されました。

次のような構成となっています。

第1章 マクロ経済運営の基本的考え方  
 1.日本経済を取り巻く環境と目指す道 
 2.当面のリスクへの対応及び賃上げを起点とした成長型経済の実現 
 3.人口減少下における持続可能な経済社会の構築 
 4.人中心の国づくり 
 5.不確実性が高まる国際情勢への備え 
 
第2章 賃上げを起点とした成長型経済の実現  
 1.物価上昇を上回る賃上げの普及・定着 ~賃上げ支援の政策総動員~ 
 2.地方創生2.0の推進及び地域における社会課題への対応 
 3.「投資立国」及び「資産運用立国」による将来の賃金・所得の増加 
 4.国民の安心・安全の確保 

第3章 中長期的に持続可能な経済社会の実現  
 1.「経済・財政新生計画」の推進 
 2.主要分野ごとの重要課題と取組方針 
 3.計画推進のための取組の強化 
 4.物価上昇に合わせた公的制度の点検・見直し 
 
第4章 当面の経済財政運営と令和8年度予算編成に向けた考え方 
 1.当面の経済財政運営について 
 2.令和8年度予算編成に向けた考え方

第2章では賃上げ支援に係る政策として次の2つを掲げ、その主な内容としては下記が示されています。

(1)中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5カ年計画の実行
 → 物価上昇を1%程度上回る賃金上昇をノルムとして定着させるため、価格転嫁・取引適正化、生産性向上、事業承継・M&Aによる経営基盤強化および地域の人材育成と処遇改善に取り組む
 → 生産性向上については、12業種で策定した「省力化投資促進プラン」に基づく官民での取組みの目標を達成するため、2029年度までの5年間で概ね60兆円の生産性向上投資を官民で実現する
 → 地域の人材育成と処遇改善については、アドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成に取り組むほか、医療・介護・保育・福祉等の人材確保に向けて、保険料負担の抑制努力を継続しつつ、公定価格の引上げを始めとする処遇改善を進める
 → 「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」に基づく取組みを進める

(2)三位一体の労働市場改革および中堅・中小企業による賃上げの後押し
 → 「ジョブ型人事指針」を周知するとともに、「人的資本可視化指針」の見直し、有価証券報告書の人的資本に関する情報開示の充実を進める
 → 「多様で柔軟な働き方の推進」として、多様な正社員制度、勤務間インターバル制度の導入促進、選択的週休3日制の普及、仕事と育児・介護の両立支援に取り組むほか、「年収130万円の壁」を意識せず働くことができるよう、2025年度中に、労働時間の延長や賃上げを通じて労働者の収入を増加させる事業主を支援する措置を実施し、労働基準法制の見直しについて検討を行う

また、第3章では「働き方に中立的な年金制度の構築」について、次のように示されています。

公的年金については、働き方に中立的な制度を構築する観点から、改正年金法を踏まえ、さらなる被用者保険の適用拡大を進めるとともに、いわゆる「年収の壁」への対応として、「年収の壁・支援強化パッケージ」の活用を促進する