「年収130万円の壁」対策のためのキャリアアップ助成金拡充に関するパブリックコメント募集が開始されました(2025/4/11)
4月11日、厚生労働省は、「年収130万円の壁」対策のためのキャリアアップ助成金拡充に関するパブリックコメント募集を開始しました。
拡充の内容は、「短時間労働者労働時間延長支援コース」を令和7年7月1日から新設する、というものです。
省令案概要では、次のような内容が示されています。
●概要
・年収130万円の壁は、年収106万円の壁に比べて、壁を越えるにあたって社会保険の保険料負担が増加するため、年収106万円の壁への対応である現行のキャリアアップ助成金社会保険適用時処遇改善コースを上回る助成額とする
・さらに、長期の職場定着とさらなるキャリアアップを図るため、2年目に、労働時間の延長またはキャリアアップのための措置を講じた場合は、当該取組みについても助成する
・小規模事業主については、さらに助成額を引き上げ、支援を強化する
・令和7年7月1日から令和8年3月31日までの間は、社会保険適用時処遇改善コース労働時間延長メニューまたは併用メニューの取組みから、短時間労働者労働時間延長支援コースの取組みに切り替えることを可能とする
・「短時間労働者労働時間延長支援コース」は当分の間の暫定措置とする
●対象労働者
社会保険の被保険者ではない有期契約労働者等(通常の労働者、勤務地限定正社員、職務限定正社員および短時間正社員を除く)
●次のいずれかの取組みを行った場合の助成
・1年目
① 週所定労働時間を5時間以上延長
② 週所定労働時間を4時間以上5時間未満延長+賃金を5%以上増加
③ 週所定労働時間を3時間以上4時間未満延長+賃金を10%以上増加
④ 週所定労働時間を2時間以上3時間未満延長+賃金を15%以上増加
→ 1人当たり助成額:50万円(小規模企業事業主)
40万円(中小企業事業主)
30万円(大企業事業主)
(注1)複数年度かけて上記要件を満たす場合も対象
・2年目
① 労働時間をさらに2時間以上延長
② 基本給をさらに5%以上増加または昇給、賞与もしくは退職金制度の適用
→ 1人当たり助成額:25万円(小規模企業事業主)
20万円(中小企業事業主)
15万円(大企業事業主)
(注2)被用者保険適用後、1年目と2年目で比較
(注3)小規模企業事業主とは、常時雇用する労働者の数が 30 人以下である事業主
(注4)支給申請上限人数はなし
今後は、令和7年6月に改正省令が公布され、令和7年7月1日より施行される予定となっています。
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