下請法・下請振興法の改正案が国会に提出されました(2025/3/14)
3月11日、政府は「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出しました。
法律の名称について、下記のように改めます。
●【現行】下請代金支払遅延等防止法
→ 【改正案】製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律
●【現行】下請中小企業振興法
→【改正案】受託中小企業振興法
主な改正内容の概要は、次のように示されています。
【下請代金支払遅延等防止法】
(1)協議を適切に行わない代金額の決定の禁止
→ 中小受託事業者から価格協議の求めがあったにもかかわらず、協議に応じなかったり、委託事業者が必要な説明を行わなかったりするなど、一方的に代金を決定して、中小受託事業者の利益を不当に害する行為を禁止する規定を新設
(2)手形払い等の禁止
→ 本法上の支払手段として、手形払いを認めないこととする
→ 支払期日までに代金に相当する金銭(手数料等を含む満額)を得ることが困難であるものについては認めないこととする
(3)運送委託の対象取引への追加
→ 現行の「物品の運送の再委託」に加えて「物品の運送の委託」を新たな規制対象に追加し、荷主・物流事業者間の問題(荷役・荷待ち)に機動的に対応できるようにする
(4)従業員基準の追加
→ 本法の適用基準として従業員数の基準を新たに追加する
→ 具体的な基準については、従業員数300人(製造委託等)または100人(役務提供委託等)を基準とする
(5)面的執行の強化
→ 現在、事業所管省庁には調査権限のみが与えられているが、事業所管省庁の主務大臣に指導・助言権限を付与する
→ 「報復措置の禁止」の申告先として、現行の公正取引委員会および中小企業庁長官に加え、事業所管省庁の主務大臣を追加する
(6)「下請」等の用語の見直し
→ 法律の題名を改正し、「親事業者」を「委託事業者」 、「下請事業者」を「中小受託事業者 」 、「下請代金」を「製造委託等代金」等に改正する
【下請中小企業振興法】
(1)多段階の事業者が連携した取組みへの支援
→ 多段階の取引からなるサプライチェーンにおいて、2以上の取引段階にある事業者が協力して作成する「振興事業計画」にし、主務大臣が承認・支援できる旨を追加
(2)適用対象の追加
→ ①発荷主-運送の取引(下請法と同様)、②従業員の大小関係がある委託事業者(下請法より広い)を追加
(3)国・地方公共団体の責務規定新設
→ 地方公共団体は受託中小企業の振興に必要な取組みの推進等に努める、国・地方公共団体等が密接な連携の確保に努める旨を規定
(4)主務大臣の権限強化
→ 主務大臣が指導・助言したものの、状況が改善されない事業者に対して、より具体的措置を示して、その実施を促す(「勧奨」する)ことができる旨を規定
(5)「下請」等の用語の見直し
→ 法律の題名を改正し、「親事業者」を「委託事業者」 、「下請事業者」を「中小受託事業者 」 、「下請代金」を「製造委託等代金」等に改正する
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