お知らせ

物流効率化を推進するための合同会議取りまとめ案が示されました(2024/9/30)

9月27日、国土交通省は、物流効率化を推進するための合同会議取りまとめ案のパブリックコメント募集を開始しました。

物流の「2024年問題」については、「物流革新に向けた政策パッケージ」を受け「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」(令和6年法律第23号。5月15日公布。以下、「物流改正法」という)において荷主・物流事業者等に対する規制的措置などが設けられ、物流改正法による改正後の「物資の流通の効率化に関する法律」(平成17年法律第85号。以下、「新物効法」という)の施行に向けて政令、省令、告示等において基本方針、判断基準、特定事業者の指定基準等が定められることとなっています。

合同会議は、これらの内容について審議するために立ち上げられたもので、ここでは公布の日から1年以内に施行される規定に関する主な内容を紹介します。

【基本方針】
貨物自動車運送役務の持続可能な提供の確保に資する運転者の運送および荷役等の効率化の推進の意義および目標に関する事項
 → 令和10年度までに、全トラック輸送のうち5割の運行で荷待ち・荷役等時間を1時間削減することで、トラックドライバー1人当たり年間125時間の短縮を実現する

その他貨物自動車運送役務の持続可能な提供の確保に資する運転者の運送および荷役等の効率化の推進に関し必要な事項
 → 発荷主および着荷主は、トラックドライバーの拘束時間を削減するため、有料道路利用料の適切な負担のもと、トラックドライバーに高速道路の利用を促す
 → トラックドライバーの労働環境の改善に向けて、国、地方公共団体および民間事業者は、それぞれの立場から、SA・PAや道の駅等において休憩環境の整備を進めるとともに、トラックドライバーの日帰り運行を可能とするための中継輸送拠点や、ダブル連結トラック・自動運転トラック等の運行のための拠点の整備を推進する
 → トラックドライバーの適正な労働時間と適正な賃金の両立に向けて、契約内容の明確化とともに「標準的運賃」の更なる浸透や適切な見直しを図るなど、官民一体となって賃上げ原資となる適正運賃を収受できる環境整備を進める
 → 国は、トラック事業者の法令違反の原因となるおそれのある行為をしている悪質な荷主・元請トラック事業者等に対して、トラックGメンによる是正指導等を徹底するとともに、独占禁止法または下請法に違反するおそれがある場合も含め、悪質な荷主・トラック事業者に対する処分の厳格化を図る。また、運送事業の許可を得ずに違法に運送を行う事業者の排除、運送責任の不明確化につながるような行き過ぎた多重下請構造の是正、トラックドライバーに対するハラスメント等の防止を図る

【荷主・物流事業者等が物流効率化のために取り組むべき措置に関する判断基準等】
貨物自動車運送事業者等の判断基準等
 → トラックドライバーの荷待ち・荷役等時間を把握し、荷主等が荷待ち・荷役等時間を把握することが難しい場合に情報提供すること。なお、トラックドライバーの荷待ち・荷役等時間の把握にあたっては、デジタルタコグラフ等のデジタル技術の活用に努めること

【「荷待ち時間」と「荷役等時間」の算定方法】
荷待ち時間
 → ① 到着時刻・時間帯の指示がない場合:到着した時刻(到着後速やかに受付等を行う場合はその時刻)から荷役等の開始時刻まで
 → ② 到着時刻・時間帯の指示があった場合:指示された到着時刻・時間帯の始期よりも前に到着した場合は、指示時刻等から荷役等の開始時刻まで。指示された到着時刻・時間帯内に到着した場合は、当該到着時刻(到着後速やかに受付等を行う場合はその 時刻)から荷役等の開始時刻まで。指示時刻・時間帯の終期よりも後に到着した場合は、当該到着時刻(到着後速やかに受付等を行う場合はその時刻)から荷役等の開始時刻まで。ただし、トラックドライバーの都合で指示時刻等を過ぎたことにより生じた待機時間については、荷待ち時間として計測しない
 → トラックドライバーが集荷・配達を行う場所やその周辺の場所に到着した後速やかに受付等を行わずに業務上の指示等により休憩する時間は除外するが、迅速に車両を動かせるような状態での待機や荷役作業中の立ち会いが要求されているなど、業務から完全に離れることができず、実質的に休憩がとれていない時間は、これらの計算から除外しないことを明確化して運用する

荷役等時間
 → 荷役、検品、荷造り、入庫・出庫、棚入れ・棚出し、仕分け、商品陳列、ラベル貼り、代金の取立て・立替えなど、トラック事業に附帯する業務の開始時間から終了時間まで
 → 1つの施設内で荷卸しと荷積みの両方を行う場合は、積載率の向上等に向けた事業者の取組を阻害しないよう、荷卸しと荷積みを別々に計測することも許容する