令和6年度の地域別最低賃金額改定の目安が取りまとめられました(2024/7/26)
7月26日、第69回中央最低賃金審議会が開催され、令和6年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会の報告(以下、「小委員会報告」という)を受け、答申が取りまとめられました。
次の金額とされました。
●Aランク(6都府県):50円
●Bランク(28道府県):50円
●Cランク:(13県):50円
この目安は、①労働者の生計費について消費者物価指数や生活必需品を含む「頻繁に購入」する支出項目に係る消費者物価も高い水準であること、②賃金について春季賃上げ妥結状況における賃金引上げ結果や賃金改定状況調査結果が昨年を上回る水準となっていること、③通常の事業の賃金支払能力について二極化の傾向にあることなどを「総合的に勘案し、特に今年度は、消費者物価の上昇が続いていることから労働者の生計費を重視した」とされています。
仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は、1,054円となります。
なお、「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解」では、「中小企業・小規模事業者が継続的に賃上げできる環境整備の必要性については労使共通の認識」として、「政府に対する要望」として次を挙げています。
【雇用関係助成金】
●業務改善助成金:最低賃金引上げの影響を強く受ける中小企業・小規模事業者がしっかりと活用できるよう充実するとともに、具体的事例も活用した周知等の徹底を要望
●キャリアアップ助成金、働き方改革推進支援助成金、人材確保等支援助成金等:賃上げ加算等の充実を強く要望
【税制・補助金等】
●設備投資の促進に資する税制や、省力化投資の補助金等による支援の強化を要望
●創業・事業承継やM&Aの環境整備の一層の強化に取り組むことが必要
●成長市場に進出しようとする者の事業再構築、新製品開発や新市場の開拓、イノベーション創出、DX・GXの取組を促進することを要望
●中小企業・小規模事業者がこれらの施策を一層活用できるよう、周知等を徹底するとともに運用改善を要望
【価格転嫁対策】
●独占禁止法の執行強化、下請Gメン等を活用しつつ事業所管省庁と連携した下請法の執行強化、下請法改正の検討等を行うとともに、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の周知徹底を要望
●転嫁率が低い等の課題がある業界については、自主行動計画の策定や改定、改善策の検討を求めることを要望
●指針別添の交渉用フォーマットについては、業種の特性に応じた展開・活用を促すことを要望
●パートナーシップ構築宣言のさらなる拡大と実効性向上に取り組むとともに、中小企業等協同組合法に基づく団体協約のさらなる活用の推進に向け、活用実態の調査や組合への制度周知に取り組むことを要望
●BtoC事業で消費者に対して転嫁に理解を求めていくよう要望
【年収の壁】
●「年収の壁・支援強化パッケージ」の活用を促進するほか、被用者保険の適用拡大等の見直しに取り組むことを要望
≪ 職業紹介事業や募集情報等提供事業などのルール強化に関する案が示されました | 個人事業者等の危険有害作業に係る災害を防止するための注文者等による安全上の指示に関する骨子等が示されました ≫