危険有害作業に係る個人事業者等の災害を防止するための事業者による対策に関する改正省令・通達が発出されています(2024/5/8)
4月30日、厚生労働省より労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(令和6年4月30日厚生労働省令第80号)および施行通達(「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行等について」(令和6年4月30日基発0430第4号))が、発出されました。令和7年4月1日から施行されます。
昨年10月の「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会報告書」にて取りまとめられた3つの論点のうち、危険有害作業に係る個人事業者等の災害を防止するための事業者による対策(論点2)に関するもので、今回は作業を行う場所に起因する危険性に対処するものについての改正が盛り込まれており、「作業に必要な保護具の周知」や「作業方法の周知」等の措置については、個人事業者等による災害発生状況を踏まえ、必要性を精査したうえで省令改正が行われることとされています。
具体的には、労働者と同じ場所で働く労働者以外の一人親方等に対しても、労働者と同等の保護措置を図る観点から、事業主の講ずべき措置等を定めた労働安全衛生法20条および21条に係る労働安全衛生規則、ボイラー及び圧力容器安全規則、クレーン等安全規則、ゴンドラ安全規則の規定を改正するものです。
次のような内容が盛り込まれています。
●場所に関わる危険の防止(立入禁止、退避等)に係る規定の改正
ア 特定の場所への立入禁止等の対象拡大
イ 特定の箇所への搭乗禁止の対象拡大
ウ 事故等発生時の退避の対象拡大
エ 退避に関連する措置の対象拡大
オ 特定の場所での火気使用の禁止の対象拡大
カ 悪天候時の作業禁止の対象拡大
キ 表示による必要事項の周知の対象拡大
●労働者以外の者による立入禁止等の遵守義務に係る規定の整備
ア 労働者以外の者による立入禁止の遵守義務の対象拡大
イ 労働者以外の者による特定の設備使用の遵守義務の対象拡大
ウ 労働者以外の者による搭乗禁止の遵守義務の対象拡大
エ 労働者以外の者による火気使用禁止の遵守義務の対象拡大
通達には、上記改正の要点に関する内容のほか、次の内容も盛り込まれています。
●留意事項
・重層請負関係にある場合の措置義務者とその対象者
・改正省令における請負人の定義
・業務又は作業の全部を請負人に請け負わせる場合の取扱い
・措置の対象となる作業場所の範囲
・元方事業者の講ずべき措置
●細部事項
・各省令に共通する事項
・省令ごとの特記事項(共通事項以外)
●今回改正を行っていない事項
≪ 下請事業者の利益保護のため、手形が下請代金の支払手段として用いられる場合の指導基準が変更されます | 個人事業者等に対する安全衛生対策に関する検討が行われています ≫