お知らせ

「求職者等への職場情報提供に当たっての手引(案)」が示されました(2024/3/12)

3月8日の第205回労働政策審議会職業安定分科会にて、「求職者等への職場情報提供に当たっての手引(案)」が示されました。

本手引は、厚生労働省の調査で「「自身が経験した転職・就職活動の中で入手した企業の職場情報と比較し、転職・就職後に働き始めてから知った実際の職場環境との間に自身にとって不都合なギャップがあった者」は、全体の約6割」等の背景の下、転職経験者、求人企業および民間人材サービス事業者等へのヒアリング結果等を踏まえて策定されるものです。

次のような構成となっています。

1.本手引の策定に当たっての背景及び基本的な考え方
2.労働関係法令等において定められている開示・提供項目等
3.求職者等が開示・提供を求める情報等
4.提供に当たっての課題や対応策

上記3.「(1)求職者等が開示・提供を求める情報の内容」では、求職者等が求めている主な項目として次のものが挙げられています。

企業等・業務に関する情報
・ 企業等の安定性
・ 事業・業務内容(自身の望む仕事ができるか、自らの強みを活かせるか)
 ※ 特に他業種からの転職の場合、事業・業務内容の説明は必要との意見があった。
・ 業務により習得できるスキル、入社後のキャリアパス

職場環境に関する情報
・ 在宅勤務、テレワーク
・ 女性活躍の状況、男性育休取得率、女性比率
・ 育児休業、短時間勤務等
 ※ 特に子育て中の場合、これらの情報が開示されていない企業等には応募しないという意見があった。
・ 職場の雰囲気、社風
・ 社員の定着率

労働条件・勤務条件
・ 賃金(昇給等の中長期的な見通し含む)
・ 所定外労働時間(残業時間)、所定労働時間、有給休暇取得率
・ 副業・兼業の可否
 ※ 残業時間や有給休暇取得率については、配属予定の部署・プロジェクトにおける状況に係る情報を求める意見があった。
・ 転勤の有無

求職者等の属性による傾向
転職者の場合
・ 経験者採用等割合、経験者採用等の離職率
・ 研修制度、オンボーディング制度、フォロー体制
・ 過去に同部署に入社した人の経歴
 ※ 研究開発職の場合、研究内容等を重視するという意見があった。
 非正規雇用労働者の場合
・ 就職後のキャリア形成(昇給制度及び教育訓練の有無等)
・ 正社員転換制度の有無及び正社員転換実績

また、「(2)職場情報の提供の単位 」では、女性活躍推進法等における法定開示・提供項目について、企業単位での平均値や雇用管理区分ごとの平均値の情報開示等を義務付けている一方、「入社後のミスマッチ防止の観点から、所属する予定の部署に係る職場情報や担当する予定のプロジェクトチーム単位、採用区分単位等での情報(以下「部署単位等の情報」という。)についても併せて示すことが望ましい」とされています。

さらに、これらの掲載方法について、ウェブサイト等においてアピールしたい情報とそれ以外の情報に整理して、求職者に伝わりやすく情報を掲載する方法等も示されています。

3月16日までパブリックコメント募集が実施されており、終了後に公表される見通しです。