「多様な正社員及び無期転換ルールに係るモデル就業規則と解説 全業種版」が公表されています(2024/1/17)
厚生労働省ホームページに、「多様な正社員及び無期転換ルールに係るモデル就業規則と解説 全業種版」が公表されています。
「多様な正社員」制度の導入や「無期転換ルール」への対応に際して、必ず明示する「必要事項」と、有期契約労働者を活用する観点から考える「検討事項」に分けて整理した、就業規則見直しのガイドとなる規定例等が掲載されています。
本冊子では、「無期転換ルール」と「多様な正社員」制度を、次のように位置付けています。
●「無期転換ルール」
→ 事業主にとっては雇用を安定させ、有期契約労働者にとっては雇止めの不安を解消することによって、お互いが安心して働くことを可能にするための制度
●「多様な正社員」制度
→ 働き方の柔軟化を促し、ワーク・ライフ・バランスを実現する上で重要な制度であるばかりか、「無期転換ルール」によって、無期雇用となった社員の重要な受け皿の1つ
規定例は、「各社員区分の定義・適用範囲」や「労働条件の明示」など13が収録されていて、例えば「契約社員・パートの無期転換ルールへの対応」「無期転換社員から正社員・限定正社員への転換」では次のように示されています( 部分は必要事項、 部分は検討事項)。
●契約社員・パートの無期転換ルールへの対応
第○条(契約社員・パートから無期転換社員への転換)
複数回の労働契約により、有期労働契約の期間が通算5年を超える契約社員及びパートで、無期労働契約への転換を希望する旨の申し出を会社に行った者については、次回更新時の労働契約より無期転換社員として継続雇用する。
2 前項の無期労働契約への転換を希望する旨の申し出は、別途定める無期転換申込書にて行うものとする。
3 前項の申し出をすることができる社員に対しては、契約を更新するごとに、当該申し出をすることができる旨及び無期転換社員への転換後の労働条件を明示する。
4 前項で明示する無期転換後の労働条件については、他の通常の労働者(正社員・限定正社員等)とのバランスを考慮した事項(業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲等)についても、併せて説明するものとする。
●無期転換社員から正社員・限定正社員への転換
第○条(無期転換社員から正社員・限定正社員への転換)
無期転換社員として ○年以上継続勤務し、その後正社員あるいは限定正社員への転換を希望する者については、会社はそれぞれの 転換試験を実施し、合格した者について正社員又は限定正社員に転換する。
2 前項の転換試験は、毎年○月末日までに、本人の申込書を受け付けて、原則として翌年△月実施し、その合格者について□月1日付で転換する。
≪ 高年齢雇用継続給付と老齢厚生年金の併給調整に係る調整率の逓減率改正に関するパブリックコメント募集が行われています | 日・イタリア社会保障協定の発効について ≫