雇用保険部会報告が提出されました(2024/1/11)
1月10日、「労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告書」が提出されました。今後は、12日に開催される雇用保険部会にて「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」および「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案(雇用保険法等の一部改正関係)要綱」の諮問が行われ、1月26日に召集される通常国会への法案提出が予定されています。
報告書の構成は、次のとおりです。
第1 雇用保険制度等の現状
第2 雇用保険制度等の見直しの背景
第3 雇用保険制度等の見直しの方向
1 雇用保険制度の適用拡大について
2 基本手当について
(1)自己都合離職者の給付制限期間等について
(2)令和6年度末で期限が到来する暫定措置について
(3)その他
3 就職促進給付について
(1)就業手当について
(2)就業促進定着手当について
4 教育訓練給付等について
(1)教育訓練給付金について
(2)教育訓練支援給付金について
(3)訓練期間中の生活を支えるための新たな給付について
(4)教育訓練受講のための新たな融資制度について
5 高年齢雇用継続給付について
6 男女ともに働きながら育児を担うことができる環境の整備について
(1)育児休業給付の給付率引上げについて
(2)育児時短就業給付(仮称)について
7 財政運営について
(1)失業等給付について
(2)育児休業給付について
8 その他
報告書で示されている見直し事項の施行時期を時系列順に示すと、次のようになっています。
【令和6年度】
●賃金日額の上限額等の改定等に用いる平均給与額の前年度からの上昇または低下の率の見直し
●教育訓練給付(専門実践教育訓練給付金・特定一般教育訓練給付金)の拡充
【令和7年度】
●自己都合離職者の給付制限期間短縮等
●就業手当の廃止
●就業促進定着手当の上限を一律基本手当支給残日数の20%相当額へと見直し
●訓練期間中の生活を支えるための新たな給付(教育訓練休暇給付金(仮称))の創設
●教育訓練受講のための新たな融資制度の創設
●育児休業給付の給付率の引上げ
●育児時短就業給付(仮称)の創設
【令和9年度】
●延長される雇止めによる離職者について所定給付日数を特定受給資格者並みの水準とする措置等の終了
●延長される地域延長給付の終了
●給付率を基本手当日額の80%から60%としたうえで延長される教育訓練支援給付金の終了
(注)これらは令和6年度末で期限が到来する暫定措置について、「令和7年度から2年間延長すべき」とされているものです。
【令和10年度】
●雇用保険制度の適用拡大
なお、具体的な時期は明示されていませんが、雇用保険制度の適用拡大に伴い次の事項も実施すべきとされています。
・被保険者期間の算定基準の見直し
・失業認定基準および自己の労働により収入がある場合の取扱いの見直し
・賃金日額の法定の下限額、最低賃金日額の見直し
・マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用の判断にあたっての基本的な考え方の明確化および周知等
・求職者支援制度の対象者から外れることとなる者に関する所要の措置
≪ 令和6年能登半島地震の災害に伴う雇用調整助成金の特例措置が公表されています | 業務上疾病にかかった労働者の離職時の平均賃金の算定に関する通達が改正されています ≫