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介護人材の処遇改善に関する検討が進められています(2023/11/7)

11月6日、第230回社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、介護人材の処遇改善等の改定の方向性が示されました。

介護人材の処遇改善については、同分科会と並行して次のような動きもありますので、時系列に沿って紹介します。

【財政制度等審議会財政制度分科会(令和5年11月1日開催)】
令和6年度介護報酬改定に関する議論において、「今後の主な改革の方向性」として(1)担い手の確保、(2)給付の適正化、(3)保険制度の持続性を確保するための改革の3つが示されており、このうち(1)に向けた施策の1つとして、処遇改善加算に関する「【改革の方向性】(案)」として、次の2つが示されています。

賃上げの呼び水として処遇改善加算を活用し、経営改善や生産性向上の取組みを通じた成果とあわせ、従業員の賃金に適切に還元すべき。
賃上げ状況の継続的な調査・分析を行えるよう、処遇改善加算取得に当たって、職種別の給与等の報告を要件とすることを検討すべき。

【「デフレ完全脱却のための総合経済対策」(令和5年11月2日閣議決定)】
「中堅・中小企業の賃上げの環境整備、人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ継続の支援」に関する項目の1つである「人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ継続の支援」の内容の1つとして、次のように示されています。

医療・介護・障害福祉分野においては、2024年度の医療・介護・障害福祉サービス等報酬の同時改定での対応を見据えつつ、喫緊の課題に対応するため、人材確保に向けて賃上げに必要な財政措置を早急に講ずる。

【第230回社会保障審議会介護給付費分科会(令和5年11月6日開催)】
次の2つが論点として、対応案とともに示されています。

論点1 処遇改善加算の一本化
 → 3種類の加算(注)については、全ての最上位区分を取得している事業所の加算率が一本化前後で同一になるよう、現行の各加算・各区分の要件及び加算率を組み合わせる形で、段階を設けた上で一本化を行ってはどうか。
 → 現在3加算それぞれで異なっている職種間賃金配分ルールについては、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める」に統一してはどうか。
 → ベースアップ等要件については、ベースアップ等に充てる割合を見直しつつ、一本化後の新加算全体に適用することとしてはどうか。
 → 新加算の名称は、可能な限り簡素に、かつ加算の趣旨や内容を踏まえたものとしてはどうか。
 → 現行の加算を取得している事業所がスムーズに新加算を取得できるよう、一定の移行期間(新旧加算を選択できる期間)を設けてはどうか。
 (注)介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算

論点2 職場環境等要件等の見直し
 → 多くの事業所が要件を超えた項目数の職場環境等改善の取組を行っている現状を踏まえ、取り組むべき項目数を増やす
 → 現行の特定処遇改善加算の「見える化要件」について、職場環境等要件の各項目ごとの具体的な取組内容の公表を求める旨を明確化
 → 年次有給休暇取得促進の取組内容を具体化(上司等からの声かけ・業務の属人化の解消等)
 → 研修受講支援の対象に、介護福祉士ファーストステップ研修・ユニットリーダー研修を追加
 → 生産性向上及び経営の協働化に係る項目についても、拡充を検討し
てはどうか。