お知らせ

裁量労働制の見直しに関する新たな資料が公表されています(2023/11/8)

11月6日、厚生労働省は令和6年4月施行の裁量労働制の見直しに関する新たな資料を公表しました。

具体的には、次のパンフレット4種が更新され、Q&Aの追補版が公表されています。

専門業務型裁量労働制について
企画業務型裁量労働制について
専門業務型裁量労働制の解説
企画業務型裁量労働制の解説

Q&Aに新たに収録された問のうち、例えば同意の取得に関するものには次のような問があります。

【1-4】
(Q)制度適用に当たっての同意取得は、書面であることが必要か。
(A)専門型・企画型の適用を受けることについての労働者の同意については、書面の交付を受ける方法のみならず、電子メールや企業内のイントラネット等を活用して電磁的記録の提供を受ける方法により取得することが可能である。
 もっとも、いずれの方法で同意を取得するとしても、同意を取得するに際し、
① 対象業務の内容を始めとする協定又は決議の内容等当該事業場における裁量労働制の制度の概要
② 裁量労働制の適用を受けることに同意した場合に適用される評価制度及びこれに対応する賃金制度の内容
③ 同意しなかった場合の配置及び処遇
について、使用者が労働者に対し、明示した上で説明して当該労働者の同意を得ることが必要である。
 また、同意に関する労働者ごとの記録を労使協定又は決議の有効期間中及びその満了後3年間保存しなければならないため、書面や電磁的記録といった記録に残るもので同意を得た上、適切に保存する必要がある。

【1-5】
(Q)同意を取得するに当たっては、事業場における裁量労働制の制度の概要等について、使用者が労働者に対し、「明示した上で説明」して、当該労働者の同意を得ることとすることを労使協定又は労使委員会決議で定めることが適当であるとされているが、この「明示した上で説明」については書面で行う必要があるか。
(A)専門型・企画型の同意取得に際しての制度概要等の明示について、必ずしも書面のみに限定しているものではないが、労働者の同意は自由な意思に基づくものであることが必要であり、労働者が自身に適用される制度内容等を十分に理解、納得した上で同意を行うことが必要である。そのため、書面の交付による方法や、電子メールや企業内のイントラネット等を活用して電磁的記録を交付する方法等を用いることで労働者が制度を確実に理解できるよう明示をすることが適切である。
なお、「明示」のみならず「明示した上で説明」することを求めた趣旨は、労働者が自身に適用される制度内容等を十分に理解、納得した上で同意を行うことを担保する点にある。したがって、書面等で制度概要等を明示するのみでは足らず、それに加えて労働者が制度概要等を理解できるような説明を行うことが必要であり、例えば、適用対象者向けの説明会の開催(質疑応答ができる形で行われるもの)や、説明動画による説明を行った上で質問の機会(メールやイントラネットでの質問受付等)を設けることなどが考えられる。

【1-6】
(Q)労使協定又は決議の有効期間満了後、改めて労使協定を締結又は決議し、同制度を適用する場合、労働者の同意も再度取得する必要があるか。
(A)労働者の同意については、労働者ごとに、かつ、協定又は決議の有効期間ごとに取得する必要がある。そのため、労使協定又は決議の有効期間の満了に当たって、再度労使協定を締結又は決議する場合には、改めて労働者の同意を取得する必要がある。その際には、改めて制度の概要等を明示した上で説明し、労働者の同意を取得することが適当である。

【3-8】
(Q)健康・福祉確保措置に基づき一定期間裁量労働制を適用しないこととしたのち、当該期間を経過した場合に再度裁量労働制を適用する旨、就業規則等に定めて労働者に周知することをもって、本人の同意を得たものとすることは可能か。
(A)できない。就業規則や労使協定、決議等による包括的な同意は認められず、裁量労働制の適用を受けることについて、個別の労働者の同意を再度得ることが必要である。その際には、改めて制度の概要等を明示した上で説明し、労働者の同意を取得することが適当である。