お知らせ

メリット制適用事業主が労働保険料認定決定に不服を持つ場合の対応を検討が行われました(2022/10/28)

10月26日、第1回労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会が開催され、メリット制適用事業主が労働保険料認定決定に不服を持つ場合の対応を検討が行われました。

現状、労災保険給付支給決定がなされると、メリット制適用事業主は労働保険料の負担が増大する可能性がありますが、労災保険給付支給決定に関する争いの当事者となる資格がなく、労働保険料認定決定において労災保険給付支給決定の要件該当性に関して主張することができません。

しかしながら、メリット制は事業主の災害防止努力を促進し、事業主間の負担の公平性を図ることを目的とする制度であり、労働保険徴収法の趣旨は、労働保険の事業の効率的な運営を図ることにあることから、労働保険料認定決定について事業主が争う手続的保障の充実を図ることは望ましいとして、検討が行われることとなりました。

検討における法的課題とその考え方として、資料では、次のような点が示されています。

(1) 労働保険料認定決定の審査請求等において労災保険給付支給決定の要件該当性を主張することの可否
 → 労災保険給付支給決定の公定力との関係でも、労働保険料認定決定の取消事由として、労災保険給付支給決定の要件に該当しないとの主張を認めてよいと考えるのが妥当

(2)仮に(1)が認められた場合であって、労働保険料認定決定の審査請求等において労災保険給付支給決定が要件に該当しないとされた場合の労災保険給付支給決定の取扱い
 → 労働保険料認定決定の審査請求等において労働保険料認定決定が取り消された際に生じる拘束力の作用として、「労働基準監督署が労災保険給付支給決定を取り消さなければならない」こととはならない

報道によれば、早ければ年内にも通達が発出され運用が改められるということです。