お知らせ

「人的資本可視化指針」(案)に関するパブリックコメント募集が行われています(2022/7/4)

6月29日、内閣官房は、「人的資本可視化指針」(案)に関するパブリックコメント募集を開始しました。

次のような構成となっています。

1.人的資本の可視化を通じた人的投資の推進に向けて(背景と指針の役割)
2.人的資本の可視化の?法
3.可視化に向けたステップ

【指針策定の背景】
人的資本への投資が競争優位の源泉や持続的な企業価値向上の推進力といった「無形資産」の中核要素であり、「サステナビリティ経営」の重要要素
人材戦略に関する「経営者からの説明」が投資家から求められている
経営者、投資家、社員をはじめとするステークホルダー間の相互理解を深めるため、「人的資本の可視化」が不可欠

【指針の役割】
特に人的資本に関する資本市場への情報開示の在り方に焦点を当てて、既存の基準やガイドラインの活用方法を含めた対応の方向性について包括的に整理した手引として編纂

【開示が推奨される人的資本に関する情報の4つの要素】
ガバナンス
 → 人的資本に関連するリスクおよび機会に関する組織のガバナンス
戦略
 → 人的資本に関連するリスクおよび機会が組織のビジネス・戦略・財務計画へ及ぼす影響
リスク管理
 → 人的資本に関連するリスクおよび機会を識別・評価・管理するためのプロセス
指標と目標
 → 人的資本に関連するリスクおよび機会の評価・管理に用いる指標と目標

【具体的な開示事項の類型】
自社固有の戦略やビジネスモデルに沿った独自性のある取組み・指標・目標の開示
 → 取組みや開示事項そのものに独自性がある取組み・指標・目標の開示
 → 開示事項自体は他社と共通でも、その開示事項を選択した理由に自社固有の戦略やビジネスモデルが強く影響する取組み・指標・目標の開示
比較可能性の観点から開示が期待される事項
 → 自社が求められる制度開示への対応は最低限の前提
 → 複数の開示基準に共通する事項は、投資家等が企業間比較の観点から重視する典型的な情報として捉えられる

【 可視化に向けた準備(例)】
基盤・体制確立
 (1)トップのコミットメント→(2)取締役会・経営層レベルの議論→(3)社員との対話→(4)部門間の連携→(5)人的資本指標のモニターと情報基盤の構築
可視化戦略構築
 (1)人的資本への投資・人材戦略の統合的ストーリーの検討→(2)戦略立案→(3)4つの要素の検討→(4)逆ツリー分析

【有価証券報告書における対応】
サステナビリティ情報の記載欄を新設し、人的資本について「人材育成方針」、「社内環境整備方針」を記載項目に追加すること、多様性について「男女間賃金格差」、「女性管理職比」、「男性育児休業取得率」を記載項目に追加
今後、開示府令の改正を経て、有価証券報告書の記載事項として上場会社等の開示を求める

パブリックコメントの募集期間は、令和4年7月29日までとなっています。