就労選択支援(仮称)の活用などが盛り込まれた労働政策審議会障害者雇用分科会意見書が公表されました(2022/6/21)
6月17日、労働政策審議会障害者雇用分科会は、障害者総合支援法改正に向けた意見書を公表しました。
今後の障害者雇用施策の充実強化のため、主に次の取組みが必要とされています。
●雇用の質の向上に向けた事業主の責務の明確化
→ 障害者雇用の数に加え、障害者が個々に持てる能力を発揮して活き活きと活躍し、雇用の安定に繋がるよう、事業主に障害者雇用促進法5条に定める責務として、キャリア形成の支援を含めて、適正な雇用管理をより一層積極的に行うことを求める
●アセスメントの強化
→ 就労系福祉サービスの利用意向のある障害者を対象とした、就労選択支援(仮称)を利用した障害者に対し、その結果を参考にハローワークが職業指導等を実施する
●障害者雇用率制度における週所定労働時間10時間以上20時間未満の障害者の扱い
→ 週所定労働時間10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者の就労機会の拡大のため、これらの障害者を事業主が雇用した場合に、特例的な扱いとして実雇用率において算定できるようにし、特例給付金は廃止する
●障害者雇用率制度における精神障害者の算定特例の延長
●障害者雇用調整金、報奨金による対応
→ 調整金:対象障害者を10人超雇用している場合、当該超過人数分の調整金について単価(1人当たり月額2万7,000円)を半額に引き下げる
→ 報奨金:対象障害者を35人超雇用している場合、当該超過人数分の報奨金について支給しないこととする
●企業の取組みに対する支援
→ 中小企業が民間事業者から相談支援を受ける場合の助成を行う
→ 中高年齢者の障害者の雇用継続のために企業が実施する取組みに対して助成する
●在宅就業障害者支援制度の活用促進
→ 在宅就業支援団体の新規登録が促進されるよう、登録要件等を緩和する(登録に必要な在宅就業障害者の人数要件を10人から5人に引下げ)
●有限責任事業組合の算定特例の全国展開
→ 国家戦略特区内においてのみ認められている有限責任事業組合(LLP)のスキームを活用して複数の中小企業の実雇用率を通算できる算定特例を全国で認める
●除外率の引下げによる障害者雇用の促進
→ 一律に10ポイント引き下げる
今後は、報道によれば年内の臨時国会への障害者総合支援法の改正法案提出、成立を目指しているとされています。
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