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デジタル原則を踏まえた規制の横断的な見直しの進捗と課題が示されています(2022/4/8)

3月30日、第3回デジタル臨時行政調査会が開催され、デジタル原則を踏まえた規制の横断的な見直しの進捗と課題、規制改革推進会議の取組み等について議論が行われました。

ここでは、デジタル原則を踏まえた規制の横断的な見直しの進捗と課題について、どのような検討がされているかを紹介します。

デジタル原則とは、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和3年12月24日に閣議決定)で示された次の5つを指し、3年間での適合実現を目指してアナログ的な規制の洗出し等が進められています。

1 デジタル完結・自動化原則
2 アジャイルガバナンス原則
3 官民連携原則
4 相互運用性確保原則
5 共通基盤利用原則

資料によれば、アナログ的な規制を次の7項目に分類し、次のような手順で適合を目指すとされています。

【目視・実地監査規制】
・具体例:河川・ダム、都市公園等の巡視・点検
・見直し手順:
 フェーズ1 従来の目視・実地監査規制
 フェーズ2 情報収集の遠隔化、人による評価
 フェーズ3 判断の精緻化、自動化・無人化

【定期検査・点検規制】
・具体例:消火器具、自動火災報知設備等の定期点検
・見直し手順:
 フェーズ1 従来の定期検査・点検規制
 フェーズ2 デジタル技術の活用による規制目的の達成
 フェーズ3 定期の検査・調査・測定の撤廃

【書面掲示、対面講習、往訪閲覧・縦覧規制】
・具体例:安全運転管理者等に対する講習、建設業者提出書類の閲覧、行政手続法における聴聞制度の公示送達(掲示場への掲示)(注1)
・見直し手順:
 フェーズ1 紙・人の介在
 フェーズ2 デジタル原則に適合する手段を可とする
 フェーズ3 デジタル完結を基本とする
 (注1)行政庁の掲示場への掲示(フェーズ1)からインターネットを利用した公示(必要に応じ、現場にも掲示)(フェーズ3)へと見直す方針が示されています。

【常駐・専任規制】
・具体例:建設業における技術者の専任(注2)、介護老人保健施設の管理者の常駐、産業医の専属(注3) 等
・見直し手順:
 フェーズ1 常駐・専任規制を課している
 フェーズ2 デジタル技術等による見直し
 フェーズ3 常駐・専任規制を課していない
 (注2)改正建設業法(令和2年10月1日施行)により、監理技術者補佐を専任で配置することで、監理技術者の専任義務は緩和されています。
 (注3)通達(「情報通信機器を用いた産業医の職務の一部実施に関する留意事項等について」(令和3年3月31日付け基発0331第4号))により、情報通信機器を用いて遠隔で産業医の職務の一部を実施することで、産業医の専任義務は緩和されています。

【申請・届出・交付・通知に書面・対面を求める規制】(注4)
・具体例:FD/CD/DVD等でのデータ保存・提出を要求、各省間等で重複する申請・届出を異なる様式で要求、本人確認(生体認証等)や真正性(電子署名、タイムスタンプ等)に関する課題があり、無人化・自動化できない
・見直し手順
 フェーズ1 紙・人の介在
 フェーズ2 オンライン化
 フェーズ3 オンライン利用率の向上
 フェーズ4 デジタル完結の実現
 (注4)経済団体からの約1,600件の規制緩和要望のうち、1,450件は7項目以外の要望で、民→民の規制も含まれますが、同様に可能な限り類型化を行い、横断的な見直しを行うことを目指すとされています。