「改正女性活躍推進法の施行に向けた主な検討事項に係る対応方針(案)」が示されました(2025/10/6)
10月2日、第84回労働政策審議会雇用環境・均等分科会が開催され、「改正女性活躍推進法の施行に向けた主な検討事項に係る対応方針(案)」が示されました。
令和8年4月1日の改正法施行に向けた主な検討事項としては、次の4つがあります。
●男女間賃金差異および女性管理職比率の情報公表
●女性の活躍推進企業データベースの活用強化
●職場における女性の健康支援
●えるぼし認定制度(えるぼし認定基準の見直し、えるぼしプラス(仮称)の創設)
資料によれば、次のような内容となっています。
【男女間賃金差異および女性管理職比率の情報公表】
●指針
〇男女間賃金差異の情報の公表
「説明欄」の活用を促進するべく、「情報の公表の項目及び方法」として以下の内容を追記する
(略)
その際、男女の賃金の額の差異については、指標の大小それ自体のみに着目するのではなく、要因及び課題の分析を行い、改善に向けて取り組んでいくことが重要である。このため、事業主が、男女の賃金の額の差異に係る共通の計算方法で算出した数値を公表するに当たっては、単に数値の情報を公表するだけでなく、要因及び課題の分析の結果等のより詳細な情報や補足的な情報を公表することも可能であり、事業主はこのような追加的な情報公表を行うことが望ましい。
(略)
〇女性管理職比率の情報の公表
「説明欄」の活用を促進するべく、「情報の公表の項目及び方法」として以下の内容を追記する
(略)
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合については、常時雇用する労働者の数が百人を超える事業主に対して一律に公表が義務付けられているものであり、より求職者の企業選択に資するよう、比較可能な実績を公表することが重要である。このため、当該項目については、その実績を、厚生労働省雇用環境・均等局長が定める方法(以下「管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合に係る共通の計算方法」という。)によって算出し、公表するものとする。
その際、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合については、指標の大小それ自体のみに着目するのではなく、要因及び課題の分析を行い、改善に向けて取り組んでいくことが重要である。このため、事業主が、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合に係る共通の計算方法で算出した数値を公表するに当たっては、単に数値の情報を公表するだけでなく、要因及び課題の分析の結果等のより詳細な情報や補足的な情報を公表することも可能であり、事業主はこのような追加的な情報公表を行うことが望ましい。
(略)
●通達
〇女性管理職比率に係る追加的な情報公表
新たに「説明欄」を設けた上でその公表を行うことが可能である旨を示すとともに、「説明欄」に記載することが望ましい例として以下を示す。その際、記載が煩瑣にならないような記載方法も示す
・ 男女別管理職登用比率を参考値として記載すること
・ 「管理職」の定義に沿うものである旨及び実際に計上している各企業の役職名を明記すること
〇「管理職」の定義
これまで施行通達の状況把握項目において示している「管理職」の定義と同様のものであることを示す
【女性の活躍推進企業データベースの活用強化】
●省令
女性活躍推進企業データベースを利用することが最も適切であることを、以下のように示す
(法第20条第1項の情報の公表)
第19条
(中略)
4 一般事業主は、第1項又は第3項の規定により公表するに当たっては、おおむね1年に1回以上、公表した日を明らかにして、厚生労働省のウェブサイトへの掲載その他の適切な方法により、女性の求職者等が容易に閲覧できるよう公表しなければならない。
●指針
女性活躍推進企業データベースを利用することが最も適切であることを、「情報の公表の項目及び方法」として以下のように示す
(略)
また、公表の方法については、求職者が容易に閲覧できる方法による必要があり、この観点からは、国が運営する「女性の活躍推進企業データベース」への掲載が最も適切である。なお、自社のホームページへの掲載等によることを妨げるものではない。
【職場における女性の健康支援】
●指針
〇職場における女性の健康上の特性に係る取組みが行われることが望ましいことを、「取組内容の選定・実施時期の決定」として、次のように示す
(略)
また、男女の性差を踏まえ、特に職場における女性の健康上の特性に係る取組が行われることが望ましい。一方、健康に関してはプライバシー保護が特に求められることも踏まえる必要があることに留意が必要である。なお、性別を問わず使い易い特別休暇制度の整備及び職場全体の働き方改革等、女性だけでなく労働者全体を対象として取り組むことも有効である。
(略)
〇事業主行動計画指針の別紙2に新たな項目を新設し、具体的な取組み例については、「働く女性の心とからだの応援サイト」の掲載内容を参考に、以下のような項目を載せる
・職場におけるヘルスリテラシー向上のための取組み
・休暇制度の充実・柔軟な働き方の実現
・健康課題を相談しやすい体制づくり
・その他の取組み
〇これらの取組みについては、建議に記載されているとおり、事業主が任意に公表することができることとされているもの(通達事項)として取り扱うこととする
【えるぼし認定制度(えるぼし認定基準の見直し、えるぼしプラス(仮称)の創設)】
●省令
〇えるぼし認定基準(1段階目)の見直しとして、基準を満たさない項目について、2年以上連続しての実績改善の他に、改善傾向にあることを評価する選択肢を提示する
〇えるぼしプラス(仮称)の創設に関しては、えるぼし認定のすべての認定段階について、以下の認定基準①~④のすべてを満たすことを要件として、プラス認定を設ける
① 「女性の健康上の特性に配慮した休暇制度」および「女性の健康上の特性への配慮のために利用することができる、半日単位・時間単位の年次有給休暇、所定外労働の制限、時差出勤、フレックスタイム制、短時間勤務、テレワークのうちいずれかの制度」を設けていること
② 女性の健康上の特性への配慮に関する方針を示し、①に掲げる制度の内容とともに労働者に周知させるための取組みを実施していること
③ 女性の健康上の特性への配慮に関する研修その他の女性の健康上の特性への配慮に関する労働者の理解を促進するための取組みを実施していること
④ 労働者からの女性の健康上の特性への配慮に関する業務を担当する者を選任し、労働者からの女性の健康上の特性に関する相談に応じさせる措置を講ずるとともに、労働者に周知させるための措置を講じていること
〇また、必ずしも女性に限った取組みでなくてもよいことを通達で示す
≪ 第1号被保険者の育児期間の保険料免除措置の創設に係る政令案概要のパブリックコメント募集が行われています | 「実演家等と芸能事務所、放送事業者等及びレコード会社との取引の適正化に関する指針」が公表されています ≫