新しい資本主義実現会議にて、業務改善助成金の充実を図ることが示されました(2024/11/1)
10月30日、第30回新しい資本主義実現会議が開催され、特に加速して取り組むべき施策が重点施策として取りまとめられました。
次の2つが柱となっています。
1 賃上げ環境の整備
2 成長力に資する国内投資促進による投資大国の実現
ここでは、上記1を進めるために掲げられた主な施策を紹介します。
1 中堅・中小企業の賃上げ環境の整備
(1)労務費の適切な価格転嫁
→ 年末までに「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の徹底に向け、遵守状況についての実態調査およびその結果に基づく改善を完了させる
→ 下請代金法について、コスト上昇局面における価格の据置き等の事案や荷主・物流事業者間の取引にも適用できるようするとともに、事業所管省庁と連携した執行を強化するため事業所管省庁の指導権限を追加する等の改正を検討し、早期に国会に提出する
→ 下請代金法の執行強化を図る。中小企業庁においては、「下請Gメン」に加え、新たに「下請かけこみ寺」の調査員との連携により、中小企業の取引実態に関する情報収集体制を強化し、問題ある発注事業者の情報を追加的に収集する
(2)付加価値の向上や省力化に資する投資の推進
→ 中小企業生産性革命推進事業(ものづくり補助金、IT導入補助金、持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金の4補助金の総称)について、さらなる充実を図る
→ カタログ式の省力化投資補助金の対象機器の拡充等による使い勝手の向上を図る
→ 業務改善助成金の充実を図る
→ 賃上げ促進税制について、中堅企業向けの新たな枠の創設等の内容の周知徹底を行い、さらなる活用を進める
→ 荷主・物流事業者が荷待ち・荷役時間の削減や倉庫業務の省力化のためにトラック設備・予約システム等を導入することを支援する。また、物流分野の構造転換を加速するとともに、荷主・物流事業者の悪質な行為を是正する「トラックGメン」の活動を強化する
→ 改正建設業法に基づき、技能労働者の処遇改善を図るとともに、デジタル化を推進するほか、受発注者の取引実態を実地調査する「建設Gメン」の取組みを推進する
→ 保育士等の業務負担の軽減等を図るため、業務のICT化等を行うためのシステムの導入等を支援する
→ 令和6年度報酬改定で措置した医療・介護・障害福祉分野の現場で働く方の処遇改善を図るための措置を確実に届けるとともに、さらなる賃上げに向けて、生産性向上・職場環境改善を支援する
(3)事業承継、M&Aを通じた産業革新
→ 事業承継税制の特例措置の役員就任要件について、事業承継税制を最大限活用する観点から、見直し等を検討する
→ 経営者の判断により事業再構築を進めることができるよう、金融債権者全員の同意がなくても、多数決により金融債務の減額を可能とする法案を早期に国会に提出する
(4)人への投資と労働市場改革の早期実行
・リ・スキリングによる能力向上
→ 技能検定等の既存の公的資格ではカバーできていなかった産業・職種のスキルの階層化・標準化を進めるとともに、これらのスキルの習得講座を教育訓練給付の対象に追加して支援を行う
→ 経営者等の能力構築に取り組むため、地域の産学官のプラットフォームを活用したリ・スキリングの対象に経営者を追加する
・企業の実態に応じたジョブ型人事
→ 「ジョブ型人事指針」周知・普及に取り組む
・成長分野への労働移動
→ 地域企業に関心のある大企業社員等の情報を登録した人材プラットフォームの活用を促進し、中堅・中小企業の生産性向上にも繋げる
・フリーランスの保護
→ フリーランス法法に違反する事案に対して迅速かつ適切に対処するとともに、公正取引委員会、中小企業庁及び厚生労働省の執行体制の整備を行う
・最低賃金
→ 今後の中期的引上げ方針について、早急に、政労使の意見交換を開催し、議論を開始する
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