職業分類の見直しに関する検討が行われています(2024/10/16)
10月8日、第6回職業分類改定研究会が開催され、職業分類の見直しに関する検討が行われました。
職業分類には、日本標準職業分類と職業紹介事業等に利用される厚生労働省編職業分類がありますが、厚生労働省では、両者の違いを次のように説明しています。
【日本標準職業分類との違い】
日本標準職業分類は統計法に基づく統計基準として設定されており、公的統計において職業別統計をまとめるときはこれを使用しなければならないものです。一方、厚生労働省編職業分類は、職業紹介事業等に利用されるものですが、統計基準である日本標準職業分類で統計を表示できるようにする必要があることから、日本標準職業分類の中分類項目との対応を計って分類項目を設定しています。
本検討会は、日本標準職業分類(現行のものは平成21年12月設定)の見直しを検討するために令和6年3月から開催されており、令和6年度内に改定の基本方針を取りまとめる予定とされています。
第5回までに見直しに向けた研究課題等の洗い出し等が行われ、第6回では、改定の基本方針策定に向け、次のような課題や目的が示されています。
【職業分類の見直しにおける課題】
●職業分類の用語の意義の見直し
日本標準職業分類では、仕事と職業がほぼ同じ意味に整理されているが、ISCO-08では、occupation(職業)は、「主たるtasks(作業)及びduties(任務)が高度な類似性によって特徴付けられるjob(仕事)」の集合体という構造になっている。この点について、整合性を図る必要があるのではないか。
●日本標準職業分類におけるスキルレベルの取扱い
日本では職場内での経験を積みながら高度な職種に移っていく場合が多く、ISCO-08のように教育水準をスキルレベルの判断に用いるのは馴染まないのではないか。
似た仕事の内容でも、裁量性のある業務に従事するなど指導をできる人と定型的な業務をする人で分けるなどの工夫をしてはどうか。
●デジタル・IT系分野の職業の見直し
デジタル・IT系分野の職業については、中分類10「情報処理・通信技術者」に多くが分類されているところ。
一方、当該分野の職業については、社会や経済等の変化に伴い従事者の増加、新たな職種の誕生など大きな変化があったことから、重点的に議論し、新たな職業を適切に立項する必要があるのではないか。
●「管理的職業従事者」における説明の見直し
これまで管理的職業従事者の説明は、組織の経営・管理を重要な機能としてきており、経営・管理以外の仕事に直接従事する場合は、当該職業に分類されてきた。
しかしながら、プレイングマネージャーは自身も部分的に数字目標を持っているに過ぎず、他の仕事に従事しているかという点は、管理的な仕事に分類されないとする基準として、重要なものではないのではないか。職業の決定方法と合わせて見直す必要があるのではないか。
●「一般事務従事者」に属する職業の見直し
中分類25「一般事務従事者」には、人事や広報という専門性を有する職業と受付や事務補助などのアシスタントというタスクの質が異なる職業が混在している。
これらの職業について、タスクの質や仕事の裁量性などを踏まえた見直しを検討してはどうか。
●「総合事務員」の取扱い
第5回改定では総務事務員を「庶務事務員」と「人事事務員」に分割するとともに、主に中小企業等で複数の職種を掛け持ちする者を想定し「総合事務員」を設けた。
しかしながら、「その他の一般事務従事者」との境界が曖昧に思えるところもあるため、その取扱いを検討してはどうか。
【日本標準職業分類の目的等の整理】
●職業分類に期待される役割
●職業分類における分類の視点
●職業分類における用語の整理、職業の決定の考え方
●統計の調査技術・格付け実務における制約と、利用者ニーズとの折り合い(仮)
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