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年金制度改正に向けた議論が行われました(2024/5/14)

5月13日、第15回社会保障審議会年金部会が開催され、年金制度改正に向けた議論が行われました。

議論の対象として示された論点は次のとおりです。

多様なライフコースに応じた年金の給付水準の示し方に関連する論点
 → 年金の給付水準を表す指標として様々な場面で使われてきたいわゆる「モデル年金」(夫婦2人の世帯を想定して、基礎年金2人分と男性の平均的な収入で40年間就業した場合の厚生年金を合計した額で算出)の、年金額を広報する際の示し方  
 → 世帯類型に着目する視点や働き方・賃金水準等に着目する視点を踏まえた示し方  

障害年金
 → 初診日
   障害厚生年金において、保険事故の発生時点を初診日とすることを維持しつつ、延長保護や長期要件を認めるべきかどうか。
 → 障害年金受給者の国民年金保険料免除の取扱い
   障害年金受給者の法定免除期間について保険料納付済期間と同じ扱いにするべきかどうか。
 → 直近1年要件
   直近1年要件について、令和8年3月31日が当該措置の期限となっているが、次期制度改正に向けて、これまで同様に10年間の延長をすべきかどうか。
 → 障害基礎年金2級の年金額
   障害基礎年金2級の年金額を引き上げる方法として、基礎年金拠出期間の45年化による満額の変更が適当かどうか。
   仮に基礎年金拠出期間の延長に伴い、障害基礎年金2級の年金額を引き上げるとした場合、施行日前に初診日がある受給者の年金額についてどのように取り扱うか。
 → 障害年金と就労収入の調整(30条の4以外の場合):
   障害年金と就労収入の関係をどのように考えるか。両者の間で一定の調整を行うべきか。   
 → 事後重症の場合の支給開始時期
   事後重症の場合でも、障害等級に該当するに至った日が診断書で確定できるのであれば、その翌月まで遡って障害年金を支給することを認めるべきかどうか。

第3号被保険者制度
 → 働き方に中立的な制度の構築が必要との指摘を踏まえ、今後の制度の在り方をどのように考えるか。
 → 被用者保険の構造や3号被保険者制度の機能、新たに保険料負担を求める場合、免除や未納となり将来低年金となる可能性などの指摘を踏まえ、今後の制度の在り方をどのように考えるか。
 → 第3号被保険者制度を前提に生活設計をしてきた方々への配慮、個々の事情に応じた公平な線引きの技術的な難しさやこれまで第1号被保険者として保険料を負担してきた方々とのバランスに関する指摘を踏まえ、今後の制度の在り方をどのように考えるか。

加給年金
 → 老齢厚生年金の配偶者加給年金
 → 老齢厚生年金の子の加給年金、障害厚生年金の配偶者加給年金
 → 現行制度を前提として生活設計を立てている方への配慮

なお、上記のほかに3月13日に開催された同部会では次のテーマも議論の対象となっています。

遺族厚生年金等の見直し
基礎年金の保険料拠出期間延長
脱退一時金等

今後は、今夏に報告される財政検証の結果を踏まえて、制度改正に向けた議論が本格化する見通しとなっています。