企業経営層向け「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」が公表されています(2024/3/27)
3月26日、経済産業省は、企業経営層向けの「仕事と介護の介護に関する経営者向けガイドライン」を公表しました。
共働き世帯が増加し、ここ20年弱で「実子」や「配偶者」が主たる家族介護の担い手となり「働く誰しもが家族介護を行うことになり得る」一方、企業における人材不足が慢性化する中、2030年には家族を介護する833万人のうち約4割(約318万人)がビジネスケアラーになるとの予測をもとに、現状のままでは介護離職等に伴う経済損失額が約9兆円に上る見込み、とされています。
また、「仕事と介護の両立」の定義について、「休業や業務量の削減を行い、従業員が介護に携われる時間を増やすこと」ではなく、「家族の介護に対応しつつ、希望に応じた働き方を選択し、家庭生活とキャリア形成を両立し続けられること」として、「全ての企業が我がごととして仕事と介護の両立支援に取り組むに当たってのマインドセット醸成や情報提供を行っていくことを意図している」とされています。
なお、人事部門や介護に直面する従業員本人に対する仕事と介護を両立するための制度に関する情報提供に際しては、厚生労働省のリーフレットやガイド等を参照するよう推奨しています。
企業が取り組むべき介護両立支援のアクションとしては、次の3ステップが示されています。
Step.1 経営層のコミットメント
・経営者自身が「介護」について知る
・経営者・経営陣から従業員やグループ企業の経営幹部層に向けて、両立支援推進に関するメッセージを発信することで、企業全体の行動変容を促す
・仕事と介護の両立支援を推進する担当役員や担当者を任命しておく
Step.2 実態の把握と対応
・全社的なアンケートの実施や、規模の小さな企業であれば社員一人ひとりへの聴取
・社全体の人材戦略の中に自社内の介護の実情を反映していく
・定量的に計測可能な指標を適切に設定し、経営層自身が意識的にPDCAを回していくマインドを持つ
Step.3 情報発信
・育児・介護休業法や介護保険制度、地域包括支援センターといった公的な制度・窓口に関する情報、自社独自の支援施策、両立体制構築の際に利用できる民間主体が提供するサービス、金銭的な備えに関する情報などをプッシュ型で企業から従業員に提供する
・介護に直面する従業員本人だけではなく、その上司に当たる管理職層に対しての研修の機会を提供していく
・仕事と介護に係る人事労務制度等について、従業員が相談できる先やプロセスなどを明示しておく
上記の3ステップに加え、さらに企業の実情やリソースに応じてさらに充実させることができる両立支援施策として、次の4つが挙げられています。
●人事労務制度の充実
●個別相談の充実
●コミュニティの形成
●効果検証
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