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障害者差別解消法社会保険労務士の業務を行う事業者向けガイドライン改正案のパブリックコメント募集が行われています(2024/2/27)

2月23日、厚生労働省は、「障害者差別解消法社会保険労務士の業務を行う事業者向けガイドライン~社会保険労務士の業務を行う事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する対応指針~」のパブリックコメント募集を開始しました。

本ガイドラインは、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成28年4月施行。以下、「障害者差別解消法」という)の規定に基づき、社会保険労務士の業務を行う事業者が障害者に対し不当な差別的取扱いをしないこと、また必要かつ合理的な配慮を行うために必要な考え方などが記載されたもので、令和6年4月1日より令和3年改正障害者差別解消法が施行されるのに伴い、改正されるものです。

ここでは、主な改正点を紹介します。

まず、「第2 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方」の「(1)不当な差別的取扱い」「①不当な差別的取扱いの基本的な考え方 」には、次の一文が追加されています。

なお、車椅子、補助犬その他の支援機器等の利用や介助者の付添い等の社会的障壁を解消するための手段の利用等を理由として行われる不当な差別的取扱いも、障害を理由とする不当な差別的取扱いに該当します。

次に、「第2 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方」の「(2)合理的配慮」「①合理的配慮の基本的な考え方 」には、次の内容が追加されています。

これまで事業者による合理的配慮の提供は努力義務とされていましたが、令和3年の法改正により、法的義務へと改められました。事業者におきましては、合理的配慮の提供の義務化を契機として、本指針に基づき、合理的配慮の必要性につき一層認識を深めることが求められます。

また、「②過重な負担の基本的な考え方 」として、個別の事案ごとに以下の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要であり、過重な負担に当たると判断した場合、障害者に丁寧にその理由を説明するよう求める内容が追加されています。

 事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)
 実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)
 費用・負担の程度
 事務・事業規模
 財務状況

さらに、「第3 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例」が、次のように改正、追加されています。

【改正前】
(1)不当な差別的取扱いと考えられる例 
(2)合理的配慮と障害特性に応じた対応について 

【改正後】
(1)正当な理由がなく、不当な差別的取扱いに該当すると考えられる例
(2)正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例
(3)合理的配慮に該当すると考えられる例
(4)合理的配慮の提供義務違反に該当すると考えられる例 
(5)合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例

改正ガイドラインは、令和6年4月1日から適用される見通しです。