お知らせ

育児休業給付金の支給延長に係る受給資格確認手続の見直しが検討されています(2023/9/26)

9月22日、第183回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会が開催され、育児休業給付金の支給延長に係る受給資格確認手続の見直しに関する検討が行われました。

これは、内閣府の地方分権改革有識者会議の「令和5年 地方分権改革に関する提案募集 重点事項一覧」に盛り込まれている提案の一つで、子が1歳になってからもしばらく自ら育児を行いたい保護者が、給付金や休業延長の手続きに必要な「保育所入所保留通知書」を取得するために行う入所意思のない保育所等の入所申込みにより市町村に事務負担が生じないよう、子ども家庭庁・厚生労働省に対して措置を講じることを求めたものです。

資料では、現行制度の課題と見直し案について、次のように示されています。

【現行制度の課題】
現行制度では、「保育所等の利用を申し込んだが当面入所できない場合」を育児休業給付の延長の要件とし、その事実を、原則として自治体の発行する入所保留通知書で確認することとしている。

自治体からの提案では、「入所を希望しないにもかかわらず、入所申込みを行う事例が年々増加している」とされており、育児休業給付の延長を希望し保留通知書を求める保護者の行動が、自治体の業務に混乱と負担をもたらしている可能性があ
る。

【見直し案】
客観的に「保育所等の利用を申込んだこと」「当面入所できないこと」を確認することに加えて、「育児休業給付を延長しなければならない状態にあること」をハローワークが認定した場合に限り、延長を認めることとしてはどうか。
 ・復職の意思や復職のために保育所等を利用する必要性などについて、本人からの申告に基づき判断することとし、申告書には、入所申込みおよび結果に関する事項(例えば「入所申込年月日」、「入所申込先の市区町村名」、「入所希望保育所名」、「申込時における入所希望年月日」、「選考結果」など)の記載を求め、入所申込みおよび結果に関する事項については、これらの事実を裏付ける書類を適宜添付することとする。
 ・書類が添付されていない場合や、添付された書類では記載された内容の確認には不十分である場合は、ハローワークから市区町村に直接事実関係を照会することとし、申告内容の確認ができない限り延長を認めないこととする。

この見直しにより、単に入所保留通知書を提出するだけでは延長は認められないこととなり、市区町村が住民から直接苦情を受けることや、住民による不適切な行動は減少することが期待される。

資料には具体的な見直しの時期は示されていませんが、現行の運用に関する事項が盛り込まれた事務連絡「育児休業・給付の適正な運用・支給及び公平な利用調整の実現等に向けた運用上の工夫について」(平成31年2月7日付け厚生労働省子ども家庭局保育課事務連絡)は、「平成30年 地方分権改革に関する提案募集 重点事項」として平成30年9月の地方分権改革有識者会議で示されていた「育児休業等の期間延長に係る手続の見直し」について「平成30年の地方からの提案等に関する対応方針」(平成30年12月25日閣議決定)で決定され、発出されていました。