お知らせ

リスキリング・労働移動・構造的な賃上げの方向性に関する議論が行われています(2023/2/20)

2月15日、第14回新しい資本主義実現会議が開催され、リスキリング・労働移動・構造的な賃上げの方向性に関する議論が行われました。

持続的に賃金が上がる構造を作り上げるために必要とされる各テーマの論点が、次のように示されています。

内外賃金格差
 → 日本企業は、平均的には獲得したスキルに応じた賃金差が小さく、スキルの高い人材が報われにくい制度となっている。日本企業と海外企業の間に同じ職務であるにもかかわらず著しい賃金差が存在することに鑑みれば、これらの賃金格差解消が必要

職務給(ジョブ型雇用)
 → 「新卒一括採用」「会社主導の異動」「従業員は企業から仕事を与えられるもの」「リスキリングが生きるかどうかは人事異動次第」といった制度を見直し、個々の職務に応じて必要となるスキルを設定し、現在のスキルとのスキルギャップの克服に向けて、従業員が上司と相談しつつ自ら職務やリスキリングの内容を選択していく制度への移行が必要
 → 併せて、経験者採用の門戸を開くことで、内部労働市場の創設と外部労働市場とのシームレスな接続が可能になる
 → 6月の指針においては、個々の企業の実情に合った職務給(ジョブ型雇用)の導入方法を類型化(例:順次導入する方法、スキルだけではなく、個々人のパフォーマンスや行動の適格性を勘案するといった導入方法)する必要がある

リスキリング
 → 国の学び直し支援策について、企業経由が中心となっている在職者支援を個人への直接支援中心に組み直す必要がある
 → 事業環境の変化の下で、従業員のリスキリングは企業経営側の責務であることの再確認が必要
 → 労働者の生活安定性(セキュリティ)を維持しつつリスキリングを進めるため、在職期間中のリスキリングの強化が必要

キャリアコンサルティング
 → キャリアコンサルタントがハローワークや民間人材会社が有する求人・転職に関する基礎的情報を共有し、コンサルティングがしやすい環境を整備すべき
 → 構造的賃上げを進めるためにはハローワークにおいてもコンサルティング機能の強化が必要

離職中の生活支援
 → 自己都合離職と会社都合離職の保護の差をどのようにするか、検討が必要

非正規労働者の処遇改善
 → 非正規労働者の賃金を上げていくためには、同一労働同一賃金制の徹底した施行が必要であり、本年3月から本格実施される労働基準監督署による調査の効果を見てその後の進め方を検討すべき