無期転換ルールおよび労働契約関係の明確化、裁量労働制の見直しに関するパブリックコメント募集が行われています(2023/1/16)
1月13日、厚生労働省は、「労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案(概要)」と「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準の一部を改正する件案の概要」のパブリックコメント募集を開始しました。
これは、「今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(報告)」(令和4年12月27日)において必要とされた、無期転換ルールおよび労働契約関係の明確化、裁量労働制の見直しについて、省令と告示の見直しを行うものです。
次のように改正の概要が示されています。
1 労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案(概要)
【無期転換ルールおよび労働契約関係の明確化】
●労働条件明示事項に、通算契約期間または有期労働契約の更新回数の上限ならびに就業場所・業務の変更の範囲を追加する
●無期転換申込権が発生する契約更新時における労働条件明示の明示事項に、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件を追加する
●無期転換後の労働条件を明示する際に、労働契約の締結時に書面の交付等の方法により明示することとされている事項については、書面の交付等の方法により明示することとする
【裁量労働制】
●対象労働者の要件
→ 企画型について、対象労働者に適用される賃金・評価制度を変更する場合に、使用者が労使委員会に変更内容について説明を行うことを決議事項に追加する
●本人同意・同意の撤回
→ 専門型について、本人同意を得ることや、同意をしなかった場合に不利益取扱いをしないことを協定事項に追加する
→ 専門型および企画型について、同意の撤回の手続を協定事項及び決議事項に追加する
●労使委員会の導入促進と労使協議の実効性向上
→ 企画型について、使用者が労使委員会に対象労働者に適用される賃金・評価制度の内容について説明することに関する事項を労使委員会の運営規程に定めることとする
→ 企画型について、労使委員会が制度の実施状況の把握及び運用の改善等を行うことに関する事項を労使委員会の運営規程に定めることとする
→ 労使委員会の開催頻度を6か月以内ごとに1回とすることを労使委員会の運営規程に定めることとするとともに、労働者側委員の選出手続の適正化を図ること等とする
2 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準の一部を改正する件案の概要
【有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準】
●使用者は、有期労働契約の締結後、当該有期労働契約の変更又は更新に際して、通算契約期間または有期労働契約の更新回数について、上限を定め、またはこれを引き下げようとするときは、あらかじめ、その理由を労働者に説明しなければならないこととする
●使用者は、労働者に対して無期転換後の労働条件を明示する場合においては、当該労働条件に関する定めをするに当たって労働契約法3条2項の規定の趣旨を踏まえて就業の実態に応じて均衡を考慮した事項について、当該労働者に説明するよう努めなければならないこととする
今後は、省令・告示ともに令和5年3月上旬に公布された後、令和6年4月1日より施行される見通しです。
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