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介護保険制度の見直しに関する意見(案)が示されました(2022/12/20)

12月19日、第105回社会保障審議会介護保険部会が開催され、介護保険制度の見直しに関する意見(案)が示されました。

大きく分けて次の5つが示されています。

 地域包括ケアシステムの深化・推進
 (1)生活を支える介護サービス等の基盤の整備
 (2)様々な生活上の困難を支え合う地域共生社会の実現
 (3)保険者機能の強化
 介護現場の生産性向上の推進、制度の持続可能性の確保
 (1)介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進 
 (2)給付と負担

ここでは、上記(1)の介護人材の確保、介護現場の生産性向上の取組みを一層普及するために必要な方策として示されたものを紹介します。

総合的な介護人材確保対策
 → 参入促進、資質の向上、介護職員の健康やメンタル面も含めた労働環境の改善を図るための事業の実施
 → 他業種からの参入を含めた多様な人材参入をさらに促進するための介護職の魅力発信事業等の拡充
 → 海外人材に対する介護分野での就労に関心を促す取組みや介護事業所等とのマッチング支援等の推進、日本語学習や生活相談の支援とともに介護福祉士の資格取得支援等の推進

生産性の向上により、負担が軽減され働きやすい介護現場の実現
 → 地域における生産性向上の推進体制の整備
 → 施設や在宅におけるテクノロジーの活用
 → 介護現場のタスクシェア・タスクシフティング
 → 経営の大規模化・協働化等
 → 文書負担の軽減
 → 財務状況等の見える化

また、参考資料として、政府の全世代型社会保障構築本部において年末までに取りまとめることとされていた介護サービス事業者における生産性の向上と働きやすい職場環境づくりのための総合的な政策パッケージの案も示されました。

同パッケージ案では、次のような取組みを行うとされています。

 総合的・横断的な支援の実施
 (1)介護現場革新のワンストップ窓口の設置
 (2)介護ロボット・ICT機器の導入支援
 事業者の意識変革
 (3)優良事業者・職員の表彰等を通じた好事例の普及促進
 (4)介護サービス事業者の経営の見える化
 テクノロジーの導入促進と業務効率化
 (5)福祉用具、在宅介護におけるテクノロジーの導入・活用促進
 (6)生産性向上に向けた処遇改善加算の見直し
 (7)職員配置基準の柔軟化の検討 
 (8)介護行政手続の原則デジタル化

上記のうち、(4)については介護サービス事業者全般について、平均賃金や処遇改善の反映状況などの閲覧・比較を可能とする方向で、制度改正も含め、検討を進めるとされています。

また、(6)については加算制度の一本化について検討を進めることや、処遇改善加算等の取得要件である職場環境等の要件について生産性の観点から見直しを検討することともに、処遇改善加算未取得の事業所における給与体系の構築等も含め、社会保険労務士等による個別相談等を行い、着実な取得率の向上を図る、とされています。