お知らせ

次期年金制度改正に向けた議論が開始されました(2022/10/26)

10月25日、第1回社会保障審議会年金部会が開催され、2025年の次期年金制度改正に向けた議論が開始されました。

資料によれば、検討課題として大きく次の3つが挙げられています。

被用者保険の適用拡大
高齢期の就労と年金受給のあり方
年金制度の所得再分配機能の維持

各課題に関する検討の方向性は、次のように示されています。

【被用者保険の適用拡大】
・2024年10月の50人超規模までの適用拡大により生じる影響の検証を行ったうえで、さらなる適用拡大をどのように進めていくか議論すべき
・個人事業主の事業所の適用業種についても、士業以外の業種への適用を引き続き検討すべき
・兼業・副業も含め、適用基準を満たさない就労を複数事業所で行う者に対する保障のあり方や、フリーランス・ギグワーク・請負型で働く者など、制度的には個人事業主であっても実態は雇用に近い働き方をしている者への保障のあり方が問題提起されている
・被用者保険の適用拡大を進め、被用者性が高い人には被用者保険を適用していくことを進めつつ、第3号被保険者制度の縮小・見直しを進めていく必要がある

【高齢期の就労と年金受給のあり方】
・高在老を含めた高齢期の年金と就労のあり方は、引き続き検討を進めていく必要がある
・就労の長期化を年金制度に反映することにより、長期化する老後生活の経済基盤の充実が図られるよう、高齢期の就労と年金のあり方について検討を進めていくことが求められる
・より多様な形での高齢者の就業機会確保が進められる中、就労と年金の組合せの選択がより多様で柔軟にできるよう、引き続き検討すべき

【年金制度の所得再分配機能の維持】
・機能維持のためにも、被用者保険の適用拡大を2024年10月の適用拡大以上にさらに徹底して進める必要がある
・マクロ経済スライドの効果は、引き続き検証を行うべき
・機能を維持するさらなる方策として、保険料拠出期間の延長についても検討すべき
・報酬比例部分と基礎年金のバランスを確保して機能を維持していくため、どのような方策が可能か、引き続き検討すべき

また、「その他」として、「障害年金・遺族年金についても、社会経済状況の変化に合わせて見直しを行う必要がないか検証し、その結果に基づいた対応についての検討を進めていくべき」とされています。