お知らせ

10月からの被用者保険の適用拡大に関する通達とQ&A集が発出されています(2022/9/16)

9月14日、厚生労働省のデータベースに「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行(令和4年10月施行分)に伴う事務の取扱いについて」(令和4年9月9日保保発0909第1号年管管発0909第4号)、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行(令和4年10月施行分)に伴う事務の取扱いに関するQ&A集の送付について」(令和4年9月9日事務連絡)が収録されました。

通達では、適用事業所の範囲の見直し(士業の適用業種追加)と被保険者資格の勤務期間要件の見直しに関する改正内容および事務処理等の概要が示されています。

【適用事業所の範囲の見直し(士業の適用業種追加)】
改正の概要
 → 健康保険及び厚生年金保険の適用事業所として、公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士、弁理士を追加

事務処理の概要
 → 施行日以後、常時5人以上の従業員を使用する場合には新規適用届、被保険者資格取得届等を日本年金機構に届け出る
 → 施行日前から事業を行っている士業の事業所も、施行日に常時5人以上の従業員を使用する場合には、適用事業所となるため届出が必要

業態分類
 → 業態分類標準の「43(93)有資格者が法律会計関係業務を行う事業」として分類

老齢厚生年金の支給停止に関する経過措置
 → 改正により被保険者資格を取得した者に係る老齢厚生年金の支給停止に関する経過措置の取扱いは、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う加給年金の支給停止規定の見直し及び被用者保険の適用拡大に係る老齢厚生年金の支給停止に関する経過措置に係る事務の取扱いについて」(令和4年3月29日付年管管発0329第17号)による

【被保険者資格の勤務期間要件の見直し】
改正の概要
 → 勤務期間要件について、「2月以内の期間を定めて使用され、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれない者」とする

雇用契約が更新されることが見込まれる場合の取扱い 
 → 次のアまたはイに該当する場合、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」として扱うが、該当する場合であっても、2月以内で定められた最初の雇用契約の期間を超えて使用しないことについて労使双方が合意しているときは該当しないこととして取り扱う
 ア 就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されていること
 イ 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績があること

被保険者資格の取得時期
 → 雇用契約の開始時から雇用契約の更新が見込まれる場合:最初の雇用契約期間の開始時から被保険者資格を取得
 → 雇用契約の開始後に雇用契約の更新見込みが生じた場合:当該契約の更新が見込まれるに至った日(労使双方の書面による合意があった日)に被保険者資格を取得
 → 雇用契約が施行日を跨ぐ場合:施行日時点において「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」に該当するときには、施行日後の雇用契約期間にかかわらず、施行日において被保険者資格を取得

事業主による届出
 → 事業主は、上記の取得時期に対象者に係る被保険者資格取得届等を機構に届け出る


また、Q&A集では、被保険者資格の勤務期間要件(2月要件)の見直しに関する15の問がまとめられています。

例えば、次のような問が収録されています。

被保険者資格の取得日について
(問7) 2月以内の期間を定めて使用された者で、雇用契約が更新されることが見込まれていたものについて、契約開始後に状況が変わり、契約更新を行わないこととなった場合、契約期間の途中で被保険者資格は喪失するのか。 
(答) 2月以内の期間を定めて使用された者で、雇用契約が更新されることが見込まれていたが、結果的に契約更新を行わないこととなった場合でも、契約期間の途中で被保険者資格は喪失しません 。 

被保険者資格の取得について
(問 12) 2月以内の雇用契約の締結が、数日の間を空けて繰り返し行われる場合、被保険者資格は取得するのか。
(答) 雇用契約が数日の間を空けて再度締結される場合でも、事業主と被保険者との間で次の契約更新の予定が明らかであるような事実が認められるなど、就労の実態に照らして事実上の使用関係が中断することなく存続していると判断できるときには、最初の雇用契約の期間から被保険者資格を取得することになります。