お知らせ

雇用保険制度の見直しに関する検討が始まりました(2022/5/31)

5月30日、第1回雇用保険制度研究会が開催され、雇用保険制度の見直しに関する検討が始まりました

今国会で成立した改正雇用保険法では、給付面の対応として次のような措置がとられているほか、失業等給付の国庫負担の見直し等がなされましたが、雇用保険部会報告書では、コロナ禍による雇調金の特例給付等により大きく影響を受けた雇用保険財政について安定的な運営の確保等、見直しを検討すべきとされていました。

 雇止め離職者、雇用情勢の悪い地域の求職者への基本手当の給付日数の拡充措置の延長(R3年度まで→R6年度まで)
 長期的キャリア形成に資する講座(専門実践教育訓練)を受講する45歳未満の離職者に対する訓練期間中の失業給付相当額の
支援(教育訓練支援給付金)の延長(R3年度まで⇒R6年度まで)
 コロナの影響による離職者の基本手当の給付日数拡充措置の対象期間の設定(緊急事態宣言ごとに緊急事態措置解除から1年経過後まで)
 雇用保険に一定期間加入後に離職して起業する者が廃業した場合に基本手当を受給しやすくする仕組みの新設
 失業給付の受給者が求職者支援制度に基づく訓練を受ける場合を給付日数の拡充・通所手当等の対象とする

本研究会は、法案の国会審議においても課題の指摘があったことを踏まえ、雇用保険の給付と負担の在り方などについて現状の分析や論点整理を行い、雇用保険制度の在り方を検討するために設置されました。

検討すべき論点とその内容について、次のように示されています。

 基本手当の効果検証とその運用も含めた在り方
 → 基本手当の水準(給付率、給付日数等)について、雇用情勢や景気動向、マルチジョブホルダー制度等近年の制度改正も含めた制度に係る検証と制度全体の施行状況の検証
 → 失業認定関連手続を含む雇用保険の受給関連手続に関する、最新のデジタル技術や補完的手段の活用等によるオンライン化を含む利用者負担の軽減策

 教育訓練給付、求職者支援制度の効果検証とその在り方
 → 令和4年度に効果検証を行い、その結果を踏まえて必要な見直しを検討

 非正規雇用労働者に対する支援策の在り方
 → 休業支援金制度の効果、適用対象範囲の妥当性および申請手続の在り方等について検証を行い、実効性のある仕組みの検討を行う

 育児休業給付とその財源の在り方
 → 令和6年度までに、育児休業給付等の国庫負担割合の引下げの暫定措置の見直しだけでなく、育児休業給付の財源確保の在り方を含め、雇用労働者に限らず、フリーランスとして就業する者などを含むすべての働く者の育児・子育てを広く社会で支援する体制の構築を検討するとともに、男性の出生時育児休業および育児休業の取得促進に向けて、改正法の施行状況を踏まえたうえで、さらなる施策の充実を検討する