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雇用仲介サービスの法的位置付けやルールの明確化などに関する報告書案がまとめられました(2021/7/16)

7月13日、厚生労働省の労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会は、「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会 報告書 (案)」をまとめました。

同研究会は、ハローワークや民間職業紹介事業者に加え、多種多様な職業紹介サービスを提供する求人メディアなどの新たな雇用仲介サービスが労働市場において存在感を増していることを受け、それらが労働市場に参画するために必要となるルールや、より機能的・効率的な労働市場の実現に貢献できるようなサービスの在り方に関する議論を行ってきました。

案の主な内容は、次のとおりです。

【基本的考え方】
 → 利用者が安心して利用できる環境とするため、雇用仲介サービスを行う者が依拠すべきルールを明確にすることが適当

【労働市場の整備】
 雇用仲介サービスの法的位置付けについて
  → 雇用仲介サービスを労働市場における需給調整機能の一翼を担うものとして位置付けるにあたって、(1)正確な情報を労働市場に流通させるべきであること、(2)仕事を探す者等の保護を図る必要があること、(3)仕事を探す者本人が労働市場には流通させたくない情報も含まれ得ることから、より慎重な対応が求められること、(4)職業紹介におけるあっせんとの違いについて、既存の区分基準・判例等と現状の雇用仲介サービスの実態との関係を整理し、職業紹介に該当するサービスを明確にすることが事業活動における予見可能性を高めること、を考慮し、その対象を検討する
 新しいサービスの把握等
  → 職業紹介事業や労働者派遣事業における認定制度を参考に、優良事業者を認識できる方策を検討することが必要
 職業情報・募集情報等の共通フォーマットの整備
  → 労働条件に限らず、上記の職業情報との関連を含め、職業選択を助け、職業生活の充実に資するような情報を積極的に提供していくことが適当

【雇用仲介サービスの取り扱う情報について】
 情報の的確性
  → (1)募集情報等や仕事を探す者の情報を、正確かつ最新のものに保つための措置を講じることが適当、(2)企業等や仕事を探す者からの苦情受付体制を整備し、適切に対応することが適当
 個人情報等の保護
  → 原則収集してはならないとされている個人情報に加えて、求職活動や採用活動にあたって、差別につながるおそれのある情報や個人の私生活に関する情報など使用されるべきでない個人情報等をより明確化していくことが適当

【雇用仲介サービスの役割・仕事を探す者の保護等】
 雇用仲介サービスの役割
  → (1)どのような事業を行っているかやそのサービス従事者が職業や雇用に関する必要な知識を保有しているかを認識できるようにしていくことが適当、(2)雇用仲介サービス自らの取組み、苦情やその処理の状況について、個人情報に配慮しつつ業界団体における公開を促すとともに、雇用仲介サービス事業者から情報提供を受け、職業安定機関がそれを市場全体に公開することで、透明性を確保することが適当
 仕事を探す者の保護
  → 問題のある事業活動に対して行政機関は適切な指導・監督を行うべき
 業界団体の役割
  → 事業者に対する仕事を探す者のニーズや苦情に中立的な立場から対処する役割を担っていくことが適当
 雇用以外の仲介について
  → 雇用以外の仕事を仲介するサービスについても、雇用仲介サービスを行う者が守るべきルールに倣うことができるよう、周知を図るべき