成長戦略実行計画案等が公表されました(2021/6/11)
6月2日、政府の第11回成長戦略会議が開催され、今年度の成長戦略実行計画案および成長戦略フォローアップ案が示されました。
実行計画案は全16章から成り、第5章には「「人」への投資の強化 」として、次の8項目が掲げられています。
1.フリーランス保護制度の在り方
2.テレワークの定着に向けた取組
3.兼業・副業の解禁や短時間正社員の導入促進などの新しい働き方の実現
4.女性・外国人・中途採用者の登用などの多様性の推進
5.人事評価制度の見直しなど若い世代の雇用環境の安定化
6.労働移動の円滑化
7.ギガスクール構想の推進による個別最適な学びや協働的な学びの充実
8.全世代型社会保障改革の方針の実施
また、フォローアップ案では上記に関する具体的施策として、主に次のような内容が示されています。
【フリーランス保護制度の在り方】
●発注事業者とフリーランスとの取引におけるトラブルに迅速に対応できるよう、独占禁止法や下請代金支払遅延等防止法に基づく執行体制の充実を図る。
●ガイドラインの内容を下請振興法に基づく振興基準に反映したことを踏まえ、業所管省庁が業種別の下請ガイドラインを改定し、これに基づいて執行を強化する。
●労災保険特別加入制度のさらなる活用に向け、引き続き要望等を踏まえて対象範囲の拡大の検討を行う。
【テレワークの定着に向けた取組】
●新型コロナ感染拡大防止の観点からも、テレワーク相談センターの設置・運営やテレワーク導入に係る助成等による導入支援を強力に推進する。
●良質なテレワークの定着・加速に向けて、テレワーク導入企業に対する評価の仕組みについて新たに検討を行う。
【兼業・副業の解禁や短時間正社員の導入促進などの新しい働き方の実現】
●建設業や医師等への適用に向けて、相談体制の充実や制度の周知徹底、適用猶予期間においても、必要な法整備を含め、時間外労働の削減や労働者の健康確保のための取組みを行うよう、円滑な法の適用に向けた取組みを行う。
●「同一労働同一賃金」について、引き続き着実な履行確保を図るとともに、働き方改革推進支援センターにおいて中小企業・小規模事業者等に対する相談支援を行う。
●パワハラ防止措置義務が2022年4月より施行されることを踏まえ、中小事業主等が適切に措置を講ずることができるよう周知啓発や専門家による企業の取組み支援などを行う。
●賃金の資金移動業者の口座への支払いについて、保証制度等のスキームを構築しつつ、労使団体と協議のうえ、2021年度できるだけ早期の制度化を図る。
【入国・在留管理制度等の見直し】
●引き続き、留学生を含め帰国が困難となった外国人に関する在留期間の更新や在留資格の変更等を柔軟に認めるとともに、必要に応じて資格外活動許可を付与する。
●在留申請手続において利便性向上や手続の非対面・非接触化の推進のため、2022年春から外国人本人によるオンライン申請を可能とするほか、「日本人の配偶者等」などの在留資格に係る申請をオンライン申請の対象に追加する。
●外国人等の利便性向上や上陸審査手続・在留審査手続の円滑化の観点から、2022年度からの在留資格認定証明書の電磁的方法による交付および、2023年度からの在留手続や特定登録者カードの交付などに係る手数料の電子納付を検討する。
【中途採用・経験者採用の促進】
●常時雇用する労働者数 301人以上の大企業に対する中途採用者数の割合の定期的な公表の義務付けについて、円滑な施行を図る。あわせて、中途採用等支援助成金の周知を図る。
【雇用の維持と労働移動の円滑化】
●大企業でシフト制等の勤務形態で働く労働者が休業手当を受け取れない場合に、休業支援金・給付金の対象とする。
●産業雇用安定助成金により出向元と出向先の双方の事業主に対して助成を行う。
●出向・移籍による失業なき労働移動に関する情報提供・相談等を行う産業雇用安定センターによるマッチング体制を強化する。
●コロナ離職をし、就労経験のない職業に就くことを希望する者を試行雇用する事業主の負担を軽減し、異なる分野への円滑な移動を支援する。
●職業訓練の訓練期間や訓練内容について、多様化・柔軟化を行うとともに、離職者、休業者等に職業訓練の情報提供や受講斡旋、職業訓練の成果を踏まえた就職支援などを実施する。
●労働移動支援助成金の早期雇入れ支援コースにおいて成長企業へ再就職する場合に助成額の加算を行う。
●「労働者協同組合法」について、円滑な施行を図る。
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