「経済財政運営と改革の基本方針2026」が閣議決定されました(2026.7.22)
7月21日、令和8年第11回経済財政諮問会議・第7回日本成長戦略会議の合同会議が開催され、「経済財政運営と改革の基本方針2026」が閣議決定しました。 2.将来世代への責任を果たす持続可能な経済社会の構築第3章 責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」 1.「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」の実現 (2) 成長型経済に合わせた持続可能な社会保障制度 (1) 少子化対策と日本の未来を担うこども・若者のための政策の推進 第4章 当面の経済財政運営と令和9年度予算編成に向けた考え方第2章1.(3)・(4)では、次のような内容が示されています。 2029年度までの間で、日本経済全体で、実質賃金で年1%程度の上昇、すなわち、持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を年1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルム(社会通念)として我が国に定着させる。 最低賃金については、2020年代に全国平均1,500円という高い目標(骨太方針202543)の達成に向け、官民でたゆまぬ努力を継続し、労働生産性の継続的な向上を図ることで、遅くとも2030年代前半できる限り早期に全国平均1,500円を達成する。 毎年の最低賃金の引上げ額については、こうした政府の取組も踏まえつつ、法定3要素のデータに基づき、公労使三者構成の中央最低賃金審議会及び地方最低賃金審議会において、実態を踏まえた審議決定となるよう、議論いただく。地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げる等、地域間格差の是正を図る。 17の戦略分野やエッセンシャル分野を始めとする幅広い人材の育成・確保のため、国・地域における取組を推進する。教育政策、産業政策と雇用政策を始めとする関係政策を連携させ、人材育成を一気通貫で推進する。人づくりの礎である教育の質を向上させる。産学官が連携し、必要なスキルや処遇の明確化、プログラム開発、費用負担の軽減や情報提供の充実、大学の体制強化、社会人による奨学金の活用の更なる向上に向けた検討を通じて、リ・スキリング機会を拡充する。アドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成に取り組む。これらにより、処遇や生産性の向上を図る。 労働力供給制約下での雇用保険制度における対応の在り方について、2026年内を目途に結論が得られるよう検討する。心身の健康維持と従業者の選択を前提に、柔軟で多様な働き方を実現するため、労働時間法制等に係る政策対応について、夏以降の労働政策審議会において議論を行う。若者や女性を含めた労働者の「働きがい」と「働きやすさ」の向上に向けて、男女間賃金差異の是正等に向けた職場の雇用管理上の問題への対応、「成長戦略」分野における女性活躍、仕事と育児・介護等との両立支援、性差に基づく健康問題への対応、女性の活躍を阻む固定的な性別役割分担意識等の解消等について、関連する基本計画等に基づく取組を強力に進める。「地域働き方・職場改革」等を通じて地方公共団体の関連する取組も後押しする。さらに、就職氷河期世代等の就業・処遇改善や社会参画を促すため、「新たな支援プログラム」67の実施に取り組む。また、第3章2.(2)では、次のような内容が示されています。(2) 成長型経済に合わせた持続可能な社会保障制度 「強い経済」では、経済成長によって、物価と賃金が上昇していく。我が国の社会保障制度も、成長型経済に合わせて、持続可能な設計に変えなければならない。 国民皆保険・皆年金を堅持し、年齢に関わらず能力に応じて公平に負担し合い、必要な方に必要なサービスが適切に提供される全世代型社会保障を構築することによって、国民の命と健康、生活を守り、安心して働き、活躍し、挑戦できる基盤を整備する。働き方の多様化や女性・高齢者の就労増加に対応し、働くことが報われる社会保障制度を目指す。給付と負担の全体像を含む全世代型社会保障の将来的な姿を若者も含め国民に分かりやすく情報提供する。 連立政権合意書(令和7年10月20日)に盛り込まれた13の社会保障改革項目について合意された具体的な骨子に基づき、2026年度中に具体的な制度設計を行い、順次実行する。物価と賃金の変動に適切に対応し、経営の安定、処遇改善を図りつつ、社会保障制度改革を着実に実行する。 その際、経済・物価の動向が2026年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、令和9年度予算編成過程で診療報酬上の加減算を含む更なる必要な調整を行う。次期介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定では、経営データベースの整備・活用を含め、2026年度診療報酬改定における各般の取組を参考にしつつ、介護・障害福祉分野の賃上げの状況や介護・障害福祉サービス等事業者の経営状況等を把握した上で、補装具費支給基準額も含め、物価の変動に適切に対応するとともに、他職種と遜色のない処遇改善の実現を図る。障害福祉サービス等の費用の急伸への対応を含め、サービスの質の確保・向上と制度の持続可能性の確保のための報酬や制度の在り方を検討する。 医療保険制度では、70歳以上の高齢者の医療費窓口負担割合について、低所得者等の必要な受診が確保されるよう適切に配慮することを前提として、原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行う。そのための改革工程表を2026年末までに策定する。介護保険制度では、2割負担の判断基準の見直しについて2026年度中に結論を得る。さらに、医療・介護保険における金融所得・資産の扱い、OTC類似薬の保険給付の見直しの施行とその状況等を踏まえた2027年度以降の対象範囲の拡大に向けた検討など、「改革工程」等に基づく取組を進める。
≪ 「日本成長戦略」が閣議決定されました | 労働基準法上の「労働者」に関する議論の整理案が示されました ≫