お知らせ

貸切バスの公示運賃見直しが行われます(2025/9/24)

9月22日、第14回 「貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ」 フォローアップ会合が開催され、運転手の人材確保や安全機能を搭載した車両の導入等が可能な運賃水準とするための貸切バスの公示運賃見直しが行われることとなりました。

貸切バスの運賃・料金制度については、コロナ禍後の需要回復状況や改善基準告示への対応状況等を反映させる必要があるとして、2024年度の実績を踏まえた、2025年秋頃の公示運賃の見直しが検討されてきました。

あわせて、バス運転者不足を解消するため、運転者の給与額を全産業の平均給与額まで引き上げる運賃水準に見直すこととされ、同会合では各地方運輸局の運賃額について、7~8%引き上げる(走行距離:190km 時間:5時間(点検点呼時間含む)の場合の試算による)こととされました。

具体的には、次のような内容となっています。

公示運賃算定の際の人件費水準の見直し
 → バス運転者の平均給与額が全産業平均を下回る状態(2023年:全産業507万円、バス運転者453万円)が続いており、2021年12月より乗合バスの運賃算定において全産業平均給与額を用いていること等を踏まえ、貸切バス業界においても、全産業平均給与月額または貸切バス運転者平均給与額のいずれか高いほうの額を採用する(現行は全産業平均給与額よりも貸切バス運転者平均給与額が低い場合は、両者の和半値を採用)

修学旅行等の宿泊を伴う学校行事に対する特例措置
 → 修学旅行は入札により受託する旅行業者を決めており、入札価格をもとに1年半程度前から保護者に積立てをお願いすることから、入札時期より後に貸切バスの運賃・料金の変更があると多くの学校が影響を受けることになるため、新たな運賃・料金の実施日までに運送の引受けを合意した場合には、契約の締結が実施日以降であっても、従前の運賃・料金による額を適用することができることとする措置を設定する
 → 上記により従前の運賃・料金を適用した場合には、運送引受書に旧運賃・料金を適用した旨を記載することとする

貸切バス事業の要素別原価等の調査対象事業者(標準能率事業者)の要件見直し
 → 現行要件の「兼業部門の営業収入に対する貸切収入が50%未満の者」により、地域によっては乗合バス事業と兼業している大手バス貸切事業者が調査対象外となって地域の実態を適切に反映できていないケースがみられることから、本要件を廃止する

車両減価償却費の見直し
 → 2年ごとに公示運賃を見直すため、2年間に新車入替が必要な台数分の減価償却費を実績に加算

安全コスト額の見直し
 → 現行では事業者が実施していない前提で先進安全自動車の購入、デジタル式運行記録計やドライブレコーダーの導入費用等に要する経費を原価に加算しているが、新車は先進安全機能の搭載が義務化となり、デジタル式運行記録計やドライブレコーダーの設置も義務化されているため、原価への加算は行わないこととする

今後は、9月26日に地方運輸局長が基準額を公示し、同日から10月24日までの間、貸切バス事業者による運賃・料金の変更届出を受け付け、届出日以降、11月1日までの間であれば任意の日から貸切バス事業者が新運賃・料金の適用を開始することが可能とされています。