個人事業者等災害報告制度に関する改正省令案要綱の諮問・答申が行われました(2025/9/9)
9月4日、第177回労働政策審議会安全衛生分科会が開催され、個人事業者等災害報告制度に関する改正省令案要綱の諮問・答申が行われました。
資料によると、労働者死傷病報告の仕組みを参考にして創設される個人事業者等の業務上災害の報告制度は次のような内容となっています。
【制度概要】
●個人事業者等が労働者と同一の場所における就業に伴う事故等により、死亡し、または休業(4日以上)した場合に、所轄労働基準監督署が情報を把握できるよう、関係者に必要事項の報告を義務付ける【罰則なし】
●報告義務の対象
・災害発生場所における直近上位の注文者(特定注文者)(当該者が存在しない場合には、災害発生場所を管理する事業者(災害発生場所管理事業者)。以下、「報告主体」という)が報告する
・上記の場合において、個人事業者が災害発生の事実を伝達・報告することが可能な場合には、個人事業者が報告主体に報告し、当該報告を受けた報告主体は、その内容を踏まえ、必要事項を補足した上で報告する
・中小企業の事業主や役員の業務上災害については、上記にかかわらず、所属企業が報告する
●個人事業者等の脳・心臓疾患および精神障害事案については、上記によらず、個人事業者等(中小事業の事業主や役員の場合は所属企業)が直接、労働基準監督署に報告することができる
●労働基準監督署への報告は、電子申請を原則とし、報告事項は以下に掲げる事項とする
・報告者に関する情報
・被災者に関する情報
・災害に関する情報
・その他(報告年月日、報告者の職氏名)
●報告主体は、個人事業者が法令上の義務となる業務上災害の報告を行ったことを理由として、不利益取扱いを行ってはならないこととする
【主な通達等で示す事項(案)】
●報告制度の適正化
・「労働者と同じ場所」等の考え方の明示
・個人事業者に報告主体への報告義務が生ずる場合の具体的なケースの例示
・報告主体が災害発生の事実を知り得なかった場合における報告義務の考え方について など
●報告者等の負担軽減
・業務上災害報告の書式の作成・周知について など
また、資料では「(参考)個人事業者等の業務上災害報告制度に係るイメージ図」として、ケース別に誰が所轄労働基準監督署に対して報告や情報提供を行うこととなるかが示されています。
今後は、令和7年11月に公布され、令和9年1月1日より施行される予定で、経過措置として、電子申請によることが困難な場合における紙媒体での報告を当面の間認める旨の規定が設けられます。
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