お知らせ

確定拠出年金制度等の見直しに関する議論が行われました(2024/12/3)

12月2日、第38回社会保障審議会企業年金・個人年金部会が開催され、確定拠出年金制度等の見直しに関する議論が行われました。

対象となった主な項目は、次のとおりです。

いわゆる「総合型DC」
 → 中小企業において、いわゆる「総合型DC」(注)の利用が増加しているが、実施主体・形態は様々で事業主の責務が十分に行われているかの確認など、特にガバナンスの面で特有の課題があると思われるところ、DC制度運営の一形態として法令に定義付け、追加の報告を求めることで、見える化の一項目として状況を把握することについて、どのように考えるか
 → いわゆる「総合型DC」を法令に位置づけた場合、その実態を踏まえながら、今後、運用商品の選定や運用商品のモニタリング、継続投資教育の実施等についてどのような取組みを進めていくべきか
 (注)企業型DCでは制度上「総合型DC」は設けられていませんが、業務・資本金等の密接な関係等を有していない2以上の事業主が一の企業型DCを実施しているケースがあり、約27,000事業所(約890,000人)が利用していると推測されています。

自動移換
 → 企業型DCの加入者資格喪失者のうち、一定割合が自動移換されている現状を踏まえ、事業主が取るべき対応として、例えば以下のような資格喪失に関する手続の対応の徹底を行うことについて、どのように考えるか
   ・企業型DCの加入者資格を喪失する前から資格喪失時にかけて、資格喪失時に取るべき対応に係る説明の実施
   ・企業型DCの全加入者に対する資格喪失時の個人別管理資産の移換の手続き等に関する継続的な説明の実施
 → 事業主等の意識の向上を通じ、企業型DC加入者であった者の資産を保護するため、自動移換の状況を見える化することについて、どのように考えるか
 → 自動移換となった者のiDeCo・企業型DCへの移換の更なる促進のため、以下の取組みを国民年金基金連合会に促すことについて、どのように考えるか
   ・自動移換となった者への周知方法等の改善
   ・自動移換の現状や制度改正によるシステム改修経費等を踏まえた自動移換の適切な手数料の設定

いわゆる選択制DB・選択制DC
 → いわゆる選択制DC・選択制DBにおける事業主掛金については、労働基準法上、賃金には該当せず、DCでは法令解釈通知において事業主が従業員に社会保険・雇用保険等の給付額への影響等を説明することとしているが、DBについては明文化されていない。DBの法令解釈通知に追記する等、事業主が従業員に社会保険・雇用保険等の給付額への影響等を説明するよう求めていくことについて、どのように考えるか
 → いわゆる選択制DB・選択制DCをこれから実施する事業主において、労使協議や導入時・加入時に、従業員に対して正確な説明が行われるようにするため、具体的にどのような取組みが考えられるか

DCの脱退一時金の要件
 → 在留資格の見直しや、在留外国人の滞在期間を踏まえ、公的年金の支給上限について5年から8年への引上げが検討されていることを踏まえ、DCの脱退一時金の支給要件である通算拠出期間についても同様に5年以下から8年以下に引き上げることについて、どのように考えるか

iDeCoプラスとDBの併用
 → DBを実施する中小事業主がiDeCoプラスを実施可能とするため、DBとiDeCoプラスの併用を認めることについては、有効な施策といった意見があった一方で、中小企業であってもDCを行うのであれば企業型DCを実施すべきといった意見があったことから、慎重に検討していくこととしてはどうか