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改正次世代育成支援対策推進法に関する省令事項(案)・指針事項(案)が示されました(後)(2024/9/18)

9月13日、第71回労働政策審議会雇用環境・均等分科会が開催され、改正次世代育成支援対策推進法に関する省令事項(案)・指針事項(案)が示されました。

【指針事項(案)】
一般事業主行動計画の策定等に関する手順等
(1)女性活躍推進法に基づく行動計画との一体的策定・届出
 次世代法に基づく一般事業主行動計画と女性活躍推進に基づく一般事業主行動計画は、これら2つの法律に定める要件を満たし、かつ、その計画期間を同一とする場合に、一体的に届出ができることとなっている。この際、共通の届出様式を適宜活用していくことが望ましい。

(2)労働者の意見の反映のための措置
 次世代育成支援対策に関する労働者の意見の反映にあたっては、労働者や労働組合等に対するアンケート調査や意見聴取等の方法とあわせて、両立支援に対するニーズの把握に向けたトップダウン・ボトムアップでの取組み、当事者間のつながりによるコミュニティとのコミュニケーションなど多様な手段の活用を行うことが望ましい。

(3)状況把握・課題分析
 一般事業主が、一般事業主行動計画を策定し、または変更しようとするときは、直近の事業年度における職業生活と子育ての両立に関する状況に関し、以下のアおよびイの事項を把握し、課題分析を行うことが求められる。
 ア 男性労働者の「育児休業等取得率」または男性労働者の「育児休業等及び育児目的休暇の取得率」の状況
 イ フルタイム労働者一人当たりの各月ごとの時間外労働および休日労働の合計時間数等の労働時間(高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者にあっては、健康管理時間)の状況
 なお、これらの事項の把握に際しては、それまでに一般事業主行動計画を策定していた一般事業主については、直近の計画期間におけるこれらの事項や、各企業の実情に応じ、その他の労働者の職業生活と家庭生活との両立状況に関連する事項や数値等についても把握しておくことが望ましい。
 また、これらの課題分析は、各事業主の実情に応じて行うべきものであるが、男女ともに働き方を見直していくことが必要であることを踏まえ、労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするため、指針で示す方法も参考に、課題分析を行うことが効果的。
  
(4)次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標の設定
 ① 育児休業等の取得や労働時間の状況に係る数値目標の設定
  一般事業主行動計画においては、(3)の状況把握・課題分析の結果を踏まえつつ、その結果を勘案して、次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標として、(3)①アおよびイに係る数値目標を設定することが必要。また、育児休業等の取得の状況に係る数値目標を設定する際には、男女間の著しい育児休業の取得状況の差を勘案し、企業内の労働者の取得実績や取得希望等を勘案して、男性の育児休業取得期間に関する適切な目標を設定されることが望ましい。

 ② 育児休業等の取得の状況や労働時間の状況以外に関する目標の設定
  各企業の実情に応じ、可能な限り定量的な目標とする等、その達成状況を客観的に判断できるものとすることが望ましい。
  なお、目標の設定にあたっては、くるみん等の認定要件を参考にすることも考えられる。

(5)計画の実施状況の点検
 一般事業主行動計画の推進にあたっては、計画の実施状況に加えて、定期的に、数値目標の達成状況についても点検・評価を実施し、PDCAサイクルを確立することが重要。
 その際には、「女性が働きやすい職場」だけでなく「男女とも仕事と子育てを両立できる職場」を目指すため、(3)の状況把握・課題分析や、それを踏まえて設定される(4)①に係る数値の改善状況についても、併せて点検・評価を行うことが効果的である。

妊娠中の労働者および子育てを行う労働者等の職業生活と家庭生活との両立等を支援するための雇用環境の整備(一般事業主行動計画の内容に関する事項)
(1)妊娠中および出産後における配慮
 現行の配慮に関連し、配偶者が流産・死産(人工妊娠中絶を含む)をした労働者に対して、配偶者の支援のため、休暇を取得しやすい環境を整備するなどの取組みを実施する。

(2)子育てのための休暇制度
 男性に限らない子育てのための休暇制度とした上で、子の看護等休暇の対象年齢の拡大も踏まえ、「小学校第3学年修了前のこどもがいない労働者に対しては、小学校第4学年以降のこどもや孫の子育てのための休暇制度を創設する」とする。

(3)育児休業や短時間勤務制度を利用しやすく、育児休業後に職場復帰しやすい環境の整備
 例えば、次に掲げる措置を実施する。
 ア 男性の育児休業の取得を促進するための措置
 イ 育児休業期間中や短時間勤務制度利用中の代替要員の確保等

(4)男女がともに仕事と子育てを両立できる環境の整備
 女性労働者に向けた取組みに加えて、例えば、次のような能力の向上またはキャリア形成の支援のための取組みを実施する。
 ア 子育て中の労働者に向けた取組み
 イ 管理職に向けた取組み等
 ウ 組織のトップの関与等

(5)柔軟な働き方を実現するための取組み
 子どもを育てる労働者のうち希望する者が利用できる制度について、所定外労働の制限および短時間勤務制度の対象範囲を小学校就学以上の子どもを養育する労働者に拡大するとともに、次に掲げる措置を追加する。
 ア 在宅勤務等の導入(テレワークの活用)
 イ 子育てのために必要な時間帯や勤務地に関する配慮
 ウ 子や家庭の状況に応じた両立支援の実施

働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備等(一般事業主行動計画の内容に関する事項)
(1)所定外労働の削減
 所定外労働を削減するための方策等を検討し、実施する際には、一般事業主行動計画の策定の際に定めた(4)①の労働時間の状況に係る数値目標の達成状況を勘案しながら実施する。

(2)心身の健康への配慮
 子を養育する労働者や育休中の労働者の業務を代替する労働者に対し始業時刻変更等の措置や在宅勤務等の措置を講ずるにあたっては、夜間の勤務や長時間労働等により心身の健康の不調が生じることのないよう、当該労働者について事業主が配慮を行うことや、労働者自身による心身の健康保持を促すことを行うこと。

なお、これらの省令事項(案)・指針事項(案)については、9月14日よりこども家庭庁がパブリックコメント募集を開始し、令和6年10月下旬に公布の上、令和7年4月1日に施行される予定となっています。