令和6年4月からの雇用調整助成金の見直しについて(2024/4/2)
3月29日付けで、厚生労働省より令和6年4月からの雇用調整助成金の見直しに関する次の2種類のリーフレットが公表されています。
●雇用調整助成金を利用する事業主のみなさまへ 令和6年4月から、雇用調整助成金の制度が変わります。
●雇用調整助成金を利用する事業主のみなさまへ 令和6年4月から、雇用調整助成金の申請書類を見直します。
それぞれの内容は、次のとおりです。
【令和6年4月から、雇用調整助成金の制度が変わります。】
●助成率と教育訓練加算の見直し(令和6年4月1日以降に開始する対象期間から適用。令和6年3月31日以前に対象期間を開始していた事業主、令和6年能登半島地震に伴う特例を利用する事業主には適用なし)
→ 累計の支給日数が30日に達した判定基礎期間の次の判定基礎期間から、教育訓練実施率に応じて次のように見直されます。教育訓練実施率が1/10以上1/5未満の場合の助成率・教育訓練加算額は、見直し前と同様です。
(助成率)
・1/10未満:中小企業(見直し前)2/3→(見直し後)1/2、大企業(見直し前)1/2→(見直し後)1/4
(教育訓練加算額)
・1/5以上:中小企業・大企業(見直し前)1,200円→(見直し後)1,800円
●支給対象となる教育訓練の見直し(令和6年4月1日以降に開始する対象期間から適用。令和6年3月31日以前に対象期間を開始していた事業主、令和6年能登半島地震に伴う特例を利用する事業主にも適用)
→ 雇用調整助成金の支給対象となる教育訓練の要件が再整理され、支給対象となり 得る教育訓練の例、支給対象とならない教育訓練が示されています。例えば、支給対象とならない教育訓練として次のようなものが示されています。
・通常の生産・事業活動と区別がつかないもの(自社の商品知識研修、QCサークル 等)
・教育訓練の実施状況が確認できないもの(自習やビデオ等の視聴 等)
・法令で講習の受講が義務付けられているもの(労働者が資格の取得・更新するための法定講習等である場合を除く)
・再就職の準備を目的とするもの
【令和6年4月から、雇用調整助成金の申請書類を見直します。】
●提出すべき書類の追加(休業等)(令和6年4月1日以降に開始する対象期間から適用。令和6年3月31日以前に対象期間を開始していた事業主、令和6年能登半島地震に伴う特例を利用する事業主には適用なし)
→ 対象期間中、初回の判定基礎期間分のみ提出が必要な書類として、以下を追加
・源泉所得税の直近の納付を確認できる書類(写)(給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書の領収日印があるものなど、納付を確認できる書類)
・判定基礎期間における支給対象労働者全員分の源泉徴収簿(毎月の源泉徴収の記録等がわかり年末調整のためにも使用できる書類であれば、「賃金台帳」等により 代替可能)
→ 初回を含むすべての判定基礎期間分について提出が必要な書類として、以下を追加
・給与振込を確認できる書類(写)(現金払いの場合は会社名・金額・労働者の住所および電話番号・受領日が明示され、労働者が直筆で氏名を記載した領収証)
なお、「令和6年3月31日以前の日を初日とする判定基礎期間や、初回以外の判定基礎期間に係るものであっても、労働局の求めに応じて提出できるよう、上記書類を整備し保管しておくことが必要」と案内されています。
≪ 定額減税特設サイトで更新された「年末調整計算シート(令和6年用)」と「各人別控除事績簿」が掲載されています | 令和6年度雇用関係助成金のパンフレット等が公表されています ≫