令和6年度介護報酬改定に関する審議報告が公表されました(2023/12/20)
12月19日、厚生労働省は、令和6年度介護報酬改定に関する審議報告を公表しました。
介護職員の処遇改善に関しては、「3.良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」において、次の3項目が示されています。
●介護職員の処遇改善
●生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり
●効率的なサービス提供の推進
このうち、介護職員の処遇改善に関する具体的な内容は、次のとおりです。
【介護職員の処遇改善】
現行の各加算・各区分の要件および加算率を組み合わせた4段階の「介護職員等処遇改善加算」に一本化を行う。その際、1年間の経過措置期間を設けることとする。
また、以下の見直しを行う。
ア 職種間の賃金配分について、引き続き介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとしつつ、職種に着目した配分ルールは設けず、一本化後の新加算全体について、事業所内で柔軟な配分を認める。
イ 新加算の配分方法について、新加算のいずれの区分を取得している事業所においても、一番下の区分の加算額の2分の1以上を月額賃金の改善に充てることを要件とする。
その際、それまでベースアップ等支援加算を取得していない事業所が、一本化後の新加算を新たに取得する場合には、収入として新たに増加するベースアップ等支援加算相当分の加算額について、その3分の2以上を月額賃金の改善として新たに配分することを求める。
ウ 職場環境等要件について、生産性向上および経営の協働化に係る項目を中心に、人材確保に向け、より効果的な要件とする観点で見直しを行う。
上記ウの職場環境等要件は、第233回社会保障審議会介護給付費分科会(令和5年11月30日開催)資料によれば、4段階の新加算のうち上位3つの加算の取得要件とされ、次の6区分計28の具体的内容について、いくつ取り組んでいるかにより加算額が変わる仕組みとすることが検討されていました。
1 入職促進に向けた取組み
→ 例:③他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築
2 資質の向上やキャリアアップに向けた支援
→ 例:⑦エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入
3 両立支援・多様な働き方の推進
→ 例:⑪有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標(例えば、1週間以上の休暇を年に○回取得、付与日数のうち○%以上を取得)を定めたうえで、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行っている
4 腰痛を含む心身の健康管理
→ 例:⑬業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実
5 生産性向上のための業務改善の取組み
→ 例:21 介護ソフト(記録、情報共有、請求業務転記が不要なもの。居宅サービスにおいてはケアプラン連携標準仕様を実装しているものに限る)および情報端末(タブレット端末、スマートフォン端末、インカム等)の導入
6 やりがい・働きがいの醸成
→ 例:27 利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供
報道によれば、20日、閣僚折衝により介護報酬を1.59%引き上げる方針が決定し、22日に閣議決定されます。
その後、年明けにここで紹介した介護職員処遇改善加算の見直しを含む詳細が明らかにされる見通しです。
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