お知らせ

海外出産に係る出産育児一時金等の不正受給事案発生を受けた改正通達が発出されています(2023/5/30)

5月24日、厚生労働省より「『海外療養費及び海外出産に係る出産育児一時金等の支給の適正化に向けた対策等について』の一部改正について」(令和5年5月24日保保発0524第1号)が発出されています。

これは、海外出産に係る出産育児一時金等の不正受給事案発生を受け、平成31年4月1日付けで発出されていた「海外療養費及び海外出産に係る出産育児一時金等の支給の適正化に向けた対策等について」(保保発0401第2号)を改正するものです。

平成31年の通達と比べると、「第2 海外出産に係る出産育児一時金等の不正請求対策等について」において示されている支給申請時の確認、不正請求対策のための取組みの内容で、次の点が変わっています。

【海外出産に係る出産育児一時金の支給申請時の確認】
出産の公的証明(現地の公的機関が発行する戸籍、住民票等)や被保険者が出産をした現地の医療機関が発行する書類(出産証明書、領収書等)により、出産の事実を確認すること
 → 削除
妊娠届の提出や母子健康手帳の交付等の有無を確認し、当該出産の前提となる妊娠の事実について確認すること
 → 削除

【不正請求対策のための取組み】
居住実態の把握により被保険者資格の適正な管理に努めること
 → 削除
妊娠届の提出や母子健康手帳の交付等の有無を確認し、当該出産の前提となる妊娠の事実について確認すること
 → 追加
妊娠に関する診療等のレセプトの有無の確認や事業主へのヒアリングにより、出産や当該出産の前提となる妊娠の事実について確認すること
 → 追加
振込先口座の名義人が被保険者または被扶養者、事業主ではない場合においては、当該名義人について本人確認資料の提出や本人への電話確認、法人の場合は名称・所在地等の確認を行うなど、慎重に判断を行うこと
 → 追加

さらに、次の内容が新たに示されています。

第3 被扶養者についての支給申請があった場合の扶養事実の確認について
○ 海外に長期滞在する等、日本に生活拠点がない被扶養者の家族出産育児一時金の支給申請があった場合において、その審査に当たり資格管理の適正化を図ることは重要であり、扶養の事実について可能な限り確認することが求められる。
○ したがって、日本に生活拠点がない被扶養者について家族出産育児一時金の支給申請があった場合は、家族出産育児一時金の支給申請書類からは扶養の事実確認は困難であることから、「海外に在住し日本国内に住所を有しない被扶養者の認定事務について」(平成30年3月22日付保保発0322第1号)及び「「海外に在住し日本国内に住所を有しない被扶養者の認定事務について」に関する留意点について」(平成30年3月22日付事務連絡)等を参考に、扶養の事実確認を行ったうえで、当該家族出産育児一時金の支給の是非を判断すること。
なお、定期的に扶養の事実確認を行う等の取組により、海外出産に係る家族出産育児一時金の支給申請があった際に当該扶養の事実について疑義がないと認めている場合については、支給申請の都度の確認を省略することは差し支えない。