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各労働時間制度の現状と課題が整理されています(2022/7/7)

7月1日、第15回これからの労働時間制度に関する検討会が開催され、これまでの議論の整理骨子(案)として、各労働時間制度の現状と課題等が示されました。

具体的には、次の3つが示されています。

これからの労働時間制度に関する基本的な考え方
各労働時間制度の現状と課題
裁量労働制について

【これからの労働時間制度に関する基本的な考え方】
・どのような労働時間制度を採用するにしても、労働者の健康確保が確実に行われることを土台としていくことが必要
・労使双方の多様なニーズに応じた働き方を実現できるよう、可能な限りわかりやすい制度にしていくことが求められる
・どのような労働時間制度を採用するか、労使当事者が現場のニーズを踏まえ十分に協議したうえで、その企業や職場、職務内容にふさわしいものを選択、運用できるようにするべき

【各労働時間制度の現状と課題】
時間外・休日労働の上限規制等
 → 施行状況や動向等を把握し、効果を見極めたうえで施行後5年経過時の検討をすべき

フレックスタイム制
 → コアタイムのないフレックスタイム制を導入する企業もみられるなど、今後も制度の普及が期待される

事業場外みなし労働時間制
 → 情報通信技術の進展等も踏まえ、本制度の対象とすべき状況等について改めて検討が必要

管理監督者
 → 該当要件につき、各企業でより適切に判断できるようにする観点等からの検討が必要

年5日の有給取得
 → さらなる取得率向上のためより一層の取組みが求められる

時間単位年休
 → 年5日を超えて取得したいという労働者のニーズに応えるような各企業独自の取組みを促すことが必要

勤務間インターバル制度
 → 当面は引き続き企業の実情に応じて導入を促進していくことが必要

【裁量労働制】
見直しにあたって以下を軸として検討
 → 労働者が理解・納得したうえでの制度の適用および裁量の確保
 → 労働者の健康および処遇の確保
 → 労使コミュニケーションの促進等を通じた適正な制度運用の確保

対象業務
 → 趣旨に沿った制度の活用が進むようにする観点から検討すべき
 → 対象業務の範囲は、経済社会の変化やそれに伴う働き方に対する労使のニーズの変化等も踏まえて見直される必要がある

本人同意・同意の撤回・適用解除
 → 労働者が制度等を十分理解し、納得したうえで適用されるようにしていく必要がある
 → 労働者本人が判断した場合には、適用から外れることができるようにする必要がある
 → 適用継続は適当ではないと認められる場合の対応を検討すべき

対象労働者の要件
 → 企画型での要件の履行確保をより図るべき
 → ふさわしい処遇が確保されるようにする必要がある

裁量の確保
 → 裁量が事実上失われるような働かせ方とならないようにする必要がある
 → 始業・終業時刻その他の時間配分の決定を労働者に委ねることを徹底すべき

健康・福祉確保措置
 → 労働時間の状況の把握について制度間の整合性をとるべき
 → 対象労働者の健康確保を徹底するための対応を検討すべき

みなし労働時間の設定と処遇の確保
 → 対象業務の内容と対象労働者に適用される評価制度およびこれに対応する賃金制度を考慮して、適切な水準となるよう設定する必要があること等を徹底する必要がある
 → ふさわしい相応の処遇を確保し、制度の濫用防止に求められる対応を明確にすべき

労使委員会の導入促進と労使協議の実効性向上
 → 労使協定または労使委員会決議に際し、賃金・評価制度の運用実態等も参考に労使協議を行うことを促進すべき
 → 制度趣旨に沿った運用になっていないと考えられる場合の対応を明確にすべき
 → 専門型の運用適正化を図るため、労使委員会の活用を促すべき
 → 運用上の課題が生じた場合に、適時に労使委員会を通じた解決が図られるようにすることを検討する必要がある

苦情処理措置
 → 認知度や苦情申出の実績が低調である実態を踏まえて対応する必要がある