全世代型社会保障の構築に向けた中間整理がまとめられました(2022/5/18)
5月17日、第5回全世代型社会保障構築会議が開催され、全世代型社会保障の構築に向けた中間整理がまとめられました。
これは、子育て・若者世代に焦点を当て「未来への投資」を中心に進めてきた議論を中間的に整理したもので、主に次のように課題と取り組むべき内容が示されています。
【男女が希望どおり働ける社会づくり・子育て支援】
●課題
今なお、子どもを持つことにより所得が低下するか、またはそれを避けるために子どもを持つことを断念するか、といった「仕事か、子育てか」の二者択一を迫られる状況が多く見られる
●男性の育児休業
→ 「産後パパ育休制度」の十分な周知と検証
→ 改正育児・介護休業法による労働者への個別の周知・意向確認、雇用環境整備の措置の履行確保、不利益取扱いの禁止の徹底等による取得日数の男女差の縮小に向けた取得促進
●非正規雇用労働者
→ 改正育児・介護休業法による労働者への休業の意向確認、雇用環境整備および有期雇用労働者の取得要件緩和等の着実な実施
●妊娠・出産支援
→ 出産育児一時金での対応をはじめとして、経済的負担の軽減についても議論を進める
→ 短時間労働者等が保育を利用しづらい状況の改善や男性の家事・育児参加に向けた取組みをさらに進める
●男女ともに仕事と子育てを両立できる環境の整備
→ 就業継続している人だけではなく、一度離職して出産・育児後に再び就労していくケースも含め、検討することが重要
【勤労者皆保険の実現・女性就労の制約となっている制度の見直し】
●課題
現状、社会保障制度からこぼれ落ちるケースが生じたり、労働市場に歪みをもたらしたりしていることが指摘されており、働き方に対して「中立」な社会保障制度の構築を進める必要がある
●勤労者皆保険の実現
→ 令和2年年金制度改正法に基づき、被用者保険(厚生年金・健康保険)の適用拡大を着実に実施
→ さらに、企業規模要件の撤廃も含めた見直しや非適用業種の見直し等を検討
●フリーランス・ギグワーカーなどへの社会保険の適用
→ まずは被用者性等をどう捉えるかの検討
→ そのうえで、労働環境の変化等を念頭に置きながらより幅広い社会保険の適用の在り方について総合的に検討
●社会保障や税制
→ 働き方に中立的なものにしていくことが重要
→ 被用者保険の適用拡大が図られると、「130 万円の壁」を消失させる効果があるほか、「106 万円の壁」についても、最低賃金の引上げによって解消されていくものと見込まれる
●企業の諸手当
→ 配偶者の収入要件がある企業の配偶者手当は、労働条件であり強制はできないが、労使において改廃・縮小に向けた議論が進められるべきものと考えられる
【家庭における介護の負担軽減】
●課題
高齢化の進展により家族の介護力の低下が予想されるため、圏域ごとの介護ニーズの将来予測を踏まえ、サービスの基盤整備を着実に実施していく必要がある
●仕事との両立
→ 休業期間中に仕事と介護を両立できる体制を整えるための介護休業制度についてより一層の周知を行う
→ 男女ともに介護離職を防ぐための対応が必要
≪ 外国人技能実習の実習実施者等が提出する様式の改正に関するパブリックコメント募集が行われています | 新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償に関する通達が発出されています ≫